資金繰りと債務超過
損益計算書の項目でも述べていますが、債務超過になってしまうとクラブライセンスが交付されないため、債務超過の回避こそがJクラブの経営にとって最重要事項です。債務超過を回避するには、利益を積み立てて純資産の部を大きくし、経営を安定化させることが理想です。一方で単年で利益を出し過ぎてしまうと、それは本来強化に使える資金を使っていないということになるので、債務超過のリスクを低減しつつ、競技力への投資をバランスよく両立させて 経営していくのがプロスポーツクラブの一般的な考え方です。
純資産額が経営規模に対して極めて小さい、あるいはマイナスである(債務超過である)場合、会社の運転資金がショートする可能性が出てきます。資金がショートするということは給与や支払いの遅配、未払いなどが発生し事業の継続が困難となるということです。
クラブライセンス審査において、Jクラブが資金繰りが困難となると判断された場合、クラブライセンスは交付されません。(財務基準F.06)
安定開催融資制度
クラブライセンスの交付を受けたJクラブが資金不足となってしまった場合、最終手段としてJリーグが設ける「リーグ戦安定開催融資制度」を利用することになります。この制度は大会を無事に終了させる目的で、1クラブ最大3億円を上限にJリーグがクラブに対して融資を可能とするものです。この制度で融資を受けたクラブには、融資事実の公表、リーグ戦の勝ち点10減という制裁が課されます。
リーグ戦安定開催融資規程
- 経営情報の見方
- 損益計算書
- 貸借対照表
- 営業収入
- 営業費用
- 入場者数
- クラブライセンス関連