2021年Jクラブ経営情報

営業収入 多い順

単位: 百万円
iクラブ
1川崎J116982642555739059600596150446
2浦和J1668916990-991053300312262
3鹿島J14660365455895980080889
4神戸J1363899527-313840135-3233330026518471
5名古屋J156173592724626581-30900-30930-339
6横浜FMJ1252285242-142583003-14786
7G大阪J11351795206-27283174820082082
8FC東京J1947724998-226634-1670311-4787-485
9清水J1144366432838301355145910-212
10J11539064275-3691242-39900-3991-400
11C大阪J11237384435-697710-70036075-4150-4151304
12広島J11134603485-25184-1140425619
13札幌J11033923705-3137811-24630071-172-19331
14大宮J21631153082331952000000
15磐田J2131083239-1318314-6200-62-31-31
16徳島J117274527103580430043142940
17横浜FCJ12025602623-632810-45022-671-68170
18千葉J282371235912232312015-3-41
19鳥栖J1722672464-1975832-171050-2210-221
20京都J22220920921171611320013227105
21新潟J26220821307820333248152040012827287
22湘南J11621782311-133186-1211240321455
23福岡J1821322614-482424-502911-5041-505
24仙台J11921212259-138146-130611-1355-140
25大分J11820962106-1061-500-50-5
26長崎J2419802984-100403-100710290221012
27松本J2221903182974451118001183880120
28山形J271847183611202290128919205
29東京VJ21217551860-10566-10500-1050-10551
30岡山J2111571155714731800180180
31町田J2514921494-292500523100
32甲府J231292122864266840084176743
33北九州J221109410623200320329227
34山口J21510101136-12660-12100-1210-12196
35栃木J21497896414101230122319
36今治J311917933-162123003120
37愛媛J22084582520121312429425
38水戸J210824873-4910-4811-481-4930
39相模原J219776677991420930192227070
40秋田J213775782-7381300426-9353
41金沢J21776175922040042247
42岐阜J36750881-13121-13000-1300-130
43長野J397086891911190019019
44鹿児島J37692691154200202130
45琉球J29641771-13074-12700-1271-128
46群馬J218637672-35160-1905-243-2773
47富山J34627623442600606
48岩手J325885771151150015510
49熊本J31550587-3742-3500-352-3768
50いわきJFL1528654-1261300434321
51讃岐J315408443-35913-3900-390-3911
52鳥取J312381447-6636-69013-820-82
53福島J35367412-4553-4300-430-4312
54沼津J314361408-4792-4000-400-40171
55藤枝J310358359-130200202
56八戸J313337350-1324740040438
57宮崎J3329127912111209312
58YS横浜J382522084411440044-145125

2021

J1 20クラブ

営業収入平均41.59億円3.23億円
営業費用平均44.09億円0.50億円

J2 22クラブ

営業収入平均15.09億円0.09億円
営業費用平均15.55億円0.55億円

J3 15クラブ

営業収入平均5.06億円0.43億円
営業費用平均5.26億円0.26億円
20052006200720082009201020112012201320142015201620172018201920202021

2020年度

損益計算書

損益計算書(P/L)は企業の一年間の経済活動の内容と収支を示す財務諸表です。

損益計算書の見方

プロスポーツクラブの損益計算書の最も単純な見方は、営業収入の大きさを見ることです。クラブの営業収入が大きいほど、言い換えるとクラブの経営規模が大きいほど、優れたクラブであると言えます。クラブの経営規模が大きいということは、そのクラブには選手や監督・スタッフに対して高い給与を払える能力があることを意味します。

一方、一般に経営の指標として参照される当期純利益についてですが、プロスポーツクラブにおいて当期純利益の大小はあまり重要ではありません。単年で赤字であっても、慢性的な赤字体質でなく、収支が十分にコントロールできる範囲であれば問題ないと言えます。

損益計算書の項目

損益計算書の各項目について説明します。
Jクラブ個別経営情報開示資料を読むための簡易な説明となりますので、各項目について詳しく知りたい方は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」第三章 損益計算書をご覧ください。

e-Gov法令検索 財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則

elaws.e-gov.go.jp
項目記号計算式
営業収入 (売上高)A
営業費用B
営業利益CA - B
営業外収益D
営業外費用E
経常利益FC + (D - E)
特別利益G
特別損失H
税引前当期利益IF + (G - H)
法人税および住民税等J
当期純利益KI - J

営業収入 (売上高)

営業収入とは、企業の営業活動によって生じた収入です。

プロスポーツクラブの営業収入の内訳は、スポンサー収入、入場料収入、Jリーグ配分金、物販収入、賞金、移籍金収入などです。このうちスポンサー収入入場料収入放映権料(リーグ配分金)が大部分を占めます。

内訳の詳細は営業収入の項で説明しています。

営業費用

営業費用とは、企業の営業活動によって生じた費用です。

プロスポーツクラブの営業費用の内訳は、チーム人件費、試合関連経費、トップチーム運営経費、アカデミー関連経費、女子チーム運営経費、物販関連費、販売費および一般管理費です。営業費用のうちおよそ半分が選手や監督の年俸を含むチーム人件費に費やされます。

内訳の詳細は営業費用の項で説明しています。

営業利益

営業利益は営業収入から営業費用を引いた値です。

営業外収益

営業外収益は先に述べたクラブの営業活動以外から生じた収入です。プロスポーツクラブの営業外収益の内容は、受取利息、寄付金収入、補助金収入、リーグ支援金(配分金ではない)収入などです。一定規模の営業外収益が定常的に存在するクラブがありますが、これはクラブ後援会などの支援によるものだと考えられます。

営業外費用

営業外費用は先に述べたクラブの営業活動以外から生じた費用です。営業外費用の内容は、支払利息、株式交付費、為替差損などです。選手・スタッフとの契約解除に際に生じる違約金も営業外費用に参入されるようです。ただし、これはクラブによって異なっていて、契約解除金を特別損失に含める場合もあります。

経常利益

経常利益は営業利益に営業外利益(営業外収益から営業外費用を引いた値)を加えた値です。

特別利益

特別利益はクラブの経済活動とは関わりのない、一時的に発生した収益です。特別利益の内容は寄付金収入などです。スポンサー料とは別枠での親会社からの損失補填も特別利益として計上されます。

特別損失

特別損失はクラブの経済活動とは関わりのない、一時的に発生した費用です。特別損失の内容は契約金償却損、固定資産除却損、監督の契約解除金などです。

当期純利益

当期純利益はクラブの一年間の経済活動の収支です。当期純利益がプラスであることを黒字、マイナスであることを赤字と言います。2012年に導入されたJリーグクラブライセンス制度ではクラブ経営健全化の目的で「3期連続赤字の禁止」が定められていましたが、2018年の改正によって大幅な緩和がされました。

当期純利益は一般企業にとっては「結果」ですが、プロスポーツクラブは収支が均衡するように経営を行うので、よほどの数値でない限り、当期純利益を経営上の評価基準とすることはできません。したがって当期純利益のクラブ間比較もほとんど意味をなさないと言えます。

単年の収支は経営上の評価になり得ませんが、数年単位で赤字が積み重なっていくと、負債が資産を上回る債務超過になる恐れがあります。Jリーグクラブライセンス制度では、債務超過のクラブにクラブライセンスは交付されません。(ただし新型コロナウイルスの流行に伴う特例措置によって2020年度決算から2023年度決算までは債務超過が認められます。)

したがって、プロスポーツクラブの経営情報では、当期純利益は貸借対照表の項目、特に純資産の数値と併せて見るのが良いと思います。

関連する法人の営業収益

関連する法人(アカデミーなどサッカー及びその他関連する事業を運営する法人)の営業収益は、別法人の営業収益であるため損益計算書には含まれませんが、2018年度の経営情報開示から参考として掲載されるようになりました。

C大阪や湘南など、アカデミー、普及、総合型スポーツクラブの活動を一般社団法人や公益財団法人が運営しているクラブがあります。クラブのグループ会社という観点で見れば、営業収入に関連法人の営業収益を加えたものを実質的なクラブの規模として考えていいでしょう。

2022年11月現在のJクラブの関連会社(法人)一覧はJリーグが公開している「Jリーグ クラブ経営ガイド 2022」の77ページで確認することができます。

Jリーグ クラブ経営ガイド 2022

aboutj.jleague.jp

発展

3期連続赤字禁止ルールの改正

2-5 財務基準の運用細則 F.01 年次財務諸表(監査済み) 3.判定

(2) 提出された財務諸表に基づいて審査を行い、以下のいずれかに該当する場合は基準F.01を満たさないものとする。

  1. 3期以上連続で当期純損失を計上した場合 (ただし、ライセンスを申請した日の属する事業年度の前年度末日現在の純資産残高がライセンスを申請した日の属する事業年度の前年度の当期純損失の額の絶対値を上回っている場合は本項目に該当しないものとみなす)

Jリーグクラブライセンス交付規則・運用細則 2019

Jリーグクラブライセンス交付規則・運用細則 財務基準F.01の抵触項目であった「3期連続で当期純損失を計上した場合」は、2018年の改正で「(ただし、ライセンスを申請した日の属する事業年度の前年度末日現在の純資産残高がライセンスを申請した日の属する事業年度の前年度の当期純損失の額の絶対値を上回っている場合は本項目に該当しないものとみなす)」という但し書きが追加されました。これは純資産が十分に大きいクラブに対して3期以上の連続赤字を認める内容と言えます。

この内容は2022年現在ではJ1クラブライセンスの判定にのみ適用されています。J2クラブライセンス、J3クラブライセンスの判定では従来通り3期連続赤字が禁止されています。

決算年度202420252026
当期純利益50-100-100
純資産29519595

→ ✅ 3期連続赤字ではない (2028シーズンのJ1クラブライセンスは交付される)

決算年度202420252026
当期純利益-100-100-100
純資産120011001000

→ ✅ 3期連続赤字だが、純資産が当期純損失の絶対値を上回る (2028シーズンのJ1クラブライセンスは交付される)

決算年度202420252026
当期純利益-100-100-100
純資産29519595

→ ❌ 3期連続赤字で、純資産が当期純損失の絶対値を下回る (2028シーズンのJリーグクラブライセンスは交付されない)

プロスポーツクラブ経営の行動原理

プロスポーツクラブは利益を出すことを目的としていません。何故でしょうか。プロスポーツクラブは利益を競っているわけではないからです。収入が大きくなればその分だけトップチームの強化や育成・普及に使いたい。より良い選手を獲得したい。アカデミーに投資したい。このように収入を出来るだけ競技力に投資したいというのがプロスポーツクラブの一般的な考え方です。

つまりプロスポーツクラブの経営は、単に当期純利益の多寡で測れるものではなく、競技力やその他様々な事項を考慮した上で評価しなければなりません。クラブが戦略的に赤字の予算を組むこともありますし、逆に単年で多額の黒字を出したとしてもトップチームが降格してしまうようであれば、それは収入をチーム強化に上手く反映できなかった経営の「失敗」と評価できるでしょう。

当期純利益の項目で述べた通り、債務超過のクラブにはJリーグクラブライセンスは交付されないため、まず第一にJクラブは債務超過になることを絶対に避けなければなりません。一方で、クラブが債務超過寸前という状況でないならば、特に目的なく多額の黒字を出すよりは、多少の赤字になったとしても収支が均衡するように強化や育成に投資する経営が理想とされます。勿論単年黒字に越したことはないですが、あくまで越したことはないという程度です。

冒頭で述べた通り、営業収入の大きさこそプロスポーツクラブの経営力と言えます。収入が大きくなることで、トップチームの強化やアカデミー・育成普及など競技面への投資が可能になります。どのJクラブもクラブの売上を増やして、クラブの規模を大きくするために力を尽くしています。

参考

[J公式] 2019年度 クラブ経営情報開示資料
[J公式] 規約・規定
[J公式] 2019年度 クラブ経営情報開示(先行発表) メディア説明会 発言録 (2020/05/29): 「赤字が必ずしも悪いことではない」と解説
[J公式] 2019年度 クラブ経営情報開示 メディア説明会 発言録 (2020/08/03): 同上
[岡山] 2013年度 経営状況についてのご報告 (2014/04/24): 同様にプロスポーツクラブ経営の考え方を端的に説明
[Yahoo!ニュース] ファジアーノ岡山の木村正明代表が語る「J1昇格」よりも大切なこと<1/2>=宇都宮徹壱WMより転載: 「黒字が何年も続いたら怒られなければいけない」と説明
[札幌] 決算情報: 内訳を詳細に記述した有価証券報告書を掲載
[e-Gov法令検索] 財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則

最終更新日: 2023年01月09日

データについて

このサイトで使用しているデータは、Jリーグが毎年発表しているJクラブ個別経営情報開示資料を基に独自で入場者数などのデータを追加・加工したものです。データは下記の一次ソースを明記した上で(このページ、つまり「Jクラブ経営情報ポータル」の記載は不要です)ご自由に利用ください。データ加工時に欠損が発生している可能性があります。データ利用の際には念のため一次ソースを確認してください。本データ利用に際して発生した損失や損害に対してサイト作成者は一切の責任を負いません。ご了承ください。

決算数値の単位はJリーグ発表と同様に「百万円」としています。「100」は1億円を表します。

Jクラブ個別経営情報開示資料

クラブ経営情報開示資料

Jリーグのコーポレートサイトでは、報道資料である「クラブ経営情報開示資料」が掲載されるようになりました。これを読むと、より一層理解が深まると思います。

クラブ経営情報

aboutj.jleague.jp

その他のデータソース

Jリーグ.jp: 順位、勝ち点など
J.LEAGUE Data Site: 順位、観客数など
日本フットボールリーグオフィシャルWebサイト: 順位。勝ち点など
Wikipedia: ACL観客数、JFL観客数など
ガンバ大阪ACL観客数: ACL観客数
ファジアーノ岡山 2013年度 経営状況についてのご報告: 岡山の地域リーグ、JFL時代の経営情報
ロアッソ熊本 クラブ概要: 熊本の地域リーグ、JFL時代の経営情報
サッカーJ+ vol.1: ACL観客数(2005横浜FM)

参照

経営情報の解説のために参照したページ

浦和レッズ 経営情報
コンサドーレ札幌 決算情報
ファジアーノ岡山 2013年度 経営状況についてのご報告
ファジアーノ岡山 2014年度 経営状況についてのご報告
Jリーグ クラブ経営ガイド
Jリーグ 規約・規定
[e-Gov法令検索] 会社法
[e-Gov法令検索] 財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則

更新情報

制作

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データの欠損を見つけたらTwitter等で教えていただけるとありがたいです。

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