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営業費用について

営業費用

営業費用とは、企業の営業活動によって生じた費用のことを指します。

一般的な企業では、原材料費や労働投入量といった費用の水準によって収入が決まる経営モデルが採られます。一方で、プロスポーツクラブの経営は、将来の収入見込みを踏まえて費用、特にチーム人件費を先に決定していくという点に特徴があります。

営業費用の項目

プロスポーツクラブの営業費用の内訳は、以下のとおりです。

  • トップチーム人件費:
    1. 監督・コーチ等チームスタッフおよび選手報酬(基本給)
    2. インセンティブ(出場給・勝利給等)
    3. その他
  • 試合関連費用:
    1. スタジアム使用料
    2. ホームゲーム警備・運営委託費
    3. その他ホームゲーム運営費
  • トップチーム運営費用:
    1. 移動旅費
    2. 合宿・キャンプ費
    3. 練習場・クラブハウス等貸借料および関連経費
    4. その他トップチーム運営経費
  • 移籍関連費用:
    1. 移籍補償金償却費(国内外クラブからの移籍に関する費用)
    2. その他(国内外クラブからの移籍に関する費用)
  • アカデミー運営経費:
    1. 試合関連経費
    2. 練習場・クラブハウス等貸借料および関連経費
    3. その他経費
  • 女子チーム運営経費:
    1. 試合関連経費
    2. 練習場・クラブハウス等貸借料および関連経費
    3. その他経費
  • 物販関連費用:
    1. グッズ原価、販売手数料、委託手数料
  • その他売上原価:
    1. 指定管理事業支出
    2. その他
  • 販売費および一般管理費:
    1. 人件費(役員報酬・社員給与・雑給等)
    2. 広告宣伝費(HP、Web関連費用を含む)
    3. 減価償却費
    4. その他

これらの区分は、Jリーグが発行する『クラブ経営ガイド新規タブで開きます』における説明をそのまま用いています。

営業費用の分類の変化

Jクラブの経営情報開示資料では、年度によって営業費用の分類が変化しています。
2005年度の開示では3項目で構成されていた営業費用は、2024年度の開示では9項目に細分化されています。

表: 営業費用の分類の変化
区分2005-102011-152016-20212022-232024-
売上原価事業費のうちチーム人件費チーム人件費トップチーム人件費トップチーム人件費
移籍関連費用
事業費試合関連経費
トップチーム運営経費
アカデミー運営経費
女子チーム運営経費
販売費および一般管理費物販関連経費
販売費および一般管理費その他売上原価
販管費一般管理費販売費および一般管理費
  • 一般に「販売費」は「一般管理費」とセットで扱われることが多い項目ですが、2010年度以前は「一般管理費」が単独の項目として存在しており、ここに「販売費」が含まれているかどうかは不明です。
  • また、2011年度から2016年度にかけては、本来売上原価に該当する「物販関連経費」や「その他売上原価」が、「販売費および一般管理費」に含まれている点には注意が必要です。

2022年度以降は、営業費用が一般的な損益計算書の区分に倣い、売上原価販売費および一般管理費の大区分で整理されるようになりました。それ以前の販管費については、概ね「その他費用」と捉えるのが妥当でしょう。

トップチーム人件費

トップチーム人件費とは、男子トップチームの選手およびスタッフに支払われる報酬の総額を指します。

2021年度決算までは「チーム人件費」という名称で開示されており、移籍関連費用や、アカデミー・女子チームの選手およびスタッフの報酬なども含まれていました。
2022年度決算からは項目名が「トップチーム人件費」に変更され、トップチームの選手・スタッフの報酬(インセンティブを含む)と移籍関連費用に限定された項目となっています。

さらに2024年度決算からは、それまでトップチーム人件費に含まれていた移籍関連費用が別項目として開示されるようになりました。

このため、トップチーム人件費については年度間の比較に際して特に注意が必要です。

移籍関連費用

移籍関連費用は、2024年度決算から新たに独立した項目として開示されるようになりました。2023年度以前は、チーム人件費またはトップチーム人件費に含まれていた内容です。

移籍関連費用を読み解くうえで注意すべき点は、その年度内に発生した移籍にかかった費用が、そのまま計上されているわけではないという点です。

例えば、2020年冬に移籍金1億円で選手を獲得し、5年契約を結んだケースを想定します。この場合、移籍金1億円は2020年度の費用として一括計上されるのではなく、2021年度から2025年度までの5年間にわたり、毎年2000万円ずつ移籍関連費用として計上されます。

したがって、ある年度の移籍関連費用とは、過去に獲得した選手の移籍金の分割計上分(最大5年分)に、その年度に発生したトレーニング補償金や連帯貢献金などを加えた総額と考えるのが適切でしょう。

Q:移籍金のところで確認ですが、違約金、移籍金だけではなく、TC(トレーニングコンペンセーション・育成補償金)や連帯貢献金なども入ってくるという認識で良いでしょうか。

A:大城 経営基盤本部長
ご認識の通りです。

Q:トップチームの人件費との関連の話がありましたが、この移籍関連費用を単純にトップチーム人件費に足せば去年と比べられる訳ではない

A:大城 経営基盤本部長
比べられます。

Q:足せば良い?

A:大城 経営基盤本部長
足せば良いです。ただ、トップチームの人件費については、新たな移籍関連費用の項目を立てたことで人件費の中身が変わっていますので、足して前年と比較しても良いのですが、これからはトップチーム人件費を除いた数字でやっていくという意味合いで今年からは入れていません。移籍関連費用はこれまで開示していないことから、そこだけを前年と比較ということもできませんので、今年は申し訳ありません。

Q:移籍金の国内からの収入が58億円で、その下の国内むけの費用が52億円。この6億円のズレはどういう違いなのでしょうか。国内むけに選手を移籍させてもらう移籍金と、移籍させて払う国内同士の移籍だから一緒になるのかと。

A:大城 経営基盤本部長
違う理由は色々とあるのですが、決算期が微妙にずれていたりもします。今回も12月決算と1月決算のクラブがずれていますので、同じ移籍に対して2クラブが関与していた場合、両クラブとも同じ期に計上する場合もあります。少し期がずれて、クラブの会計処理の考え方でずれるケースがありますので、一致しそうですが完全に一致はしないと思います。
そのほか、費用によっては何年かにわたって償却していく資産性のあるものもありますので、これからも必ず一致するということはないと思います。

出典2025年度 第5回Jリーグ理事会後会見発言録新規タブで開きます

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