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債務超過の禁止

クラブライセンス関連

このページでは、財務基準における「債務超過の禁止」について、クラブライセンス交付規則の原文を基に確認します。

クラブライセンス交付規則の財務基準F.01で規定されている「債務超過の禁止」の内容は、次の通りです。

  • 前期の決算において債務超過に陥っている場合、次シーズンのクラブライセンスは交付されません(財務基準F.01)

また、当該事業年度の決算の見通しを審査対象とする財務基準F.06の内容を踏まえると、以下の点も指摘できます。

  • 今期の決算で債務超過に陥る見通しが極めて高い場合、次シーズンのクラブライセンスは交付されません(財務基準F.06)

以下では、これらの内容をクラブライセンス交付規則の原文によって確認します。

原文

引用始まり
F.01 年次財務諸表(監査済み) A等級
3. 判定

(2) 提出された財務諸表に基づいて審査を行い、以下のいずれかに該当する場合は基準F.01を満たさないものとする。

  1. ライセンスを申請した日の属する事業年度の前年度末日現在、純資産の金額がマイナスである(債務超過である)場合
引用終わり出典Jリーグクラブライセンス交付規則・運用細則 2019

この規定は、前年度末時点の純資産額がマイナス、すなわち債務超過である場合には、A等級である基準F.01を満たさず、クラブライセンスが交付されないことを定めています。

また、二つ前のページで確認した通り、財務基準F.06により、当該事業年度の決算の見通しもライセンス判定の対象となります。

「債務超過の禁止」に抵触した、または抵触する可能性があった事例

以下では、前年度末の決算を対象とする財務基準F.01と、進行中の年度の決算の見通しを対象とする財務基準F.06が、実務上どのように適用されたのかを確認します。

ガイナーレ鳥取の例

ガイナーレ鳥取は、2014年度末(2015年1月期)に債務超過に陥る可能性があったことから、2014年9月に発表された2015シーズンのクラブライセンス判定において、停止条件付のJ2クラブライセンス交付となりました(財務基準F.06)。

これは、期限(10月末)までに停止条件(この場合は増資の完了)を充足することで、次シーズンのクラブライセンスの効力が発生するものです。

結果として、ガイナーレ鳥取は期日までに停止条件を充足し、2015シーズンのJ2クラブライセンスを取得することができました。

しかし、2014年度(2015年1月期)の決算では、結果的に債務超過に陥りました。この時点で、財務基準F.01が定める「前年度決算で債務超過であってはならない」という要件を満たさないことが確定したため、2016シーズンのJ2クラブライセンス申請を断念することになります。

なお、当時のJ3クラブライセンスにおいては、「債務超過の禁止」は2014年度決算まで判定対象外であったため、ガイナーレ鳥取は2016シーズンのJ3クラブライセンスを取得することができました。

AC長野パルセイロの例

AC長野パルセイロは、2024年度末(2024年12月期)に債務超過に陥る可能性があったことから、2024年9月に発表された2025シーズンのクラブライセンス判定において、停止条件付のJ2クラブライセンス交付となりました(財務基準F.06)。

これは、期限(11月24日)までに停止条件(この場合は増資の完了)を充足することで、次シーズンのクラブライセンスの効力が発生するものです。なお、2024年度は特例措置における猶予期間に該当しており、新たに債務超過に陥ることは認められていませんでした。

AC長野パルセイロは、増資の完了によって停止条件を充足し、2025シーズンのJ2クラブライセンスを取得しました。

特例措置と猶予期間

2020年の新型コロナウイルス感染拡大以降、クラブライセンス制度では、財務基準に関する特例措置が継続的に設けられています。これらの特例措置には猶予期間が設けられており、それぞれの位置づけは次の通りです。

  • 特例措置
    • 債務超過、3期連続赤字をライセンス交付の判定対象としない
    • 対象年度に新たに債務超過に陥っても判定対象としない
  • 猶予期間
    • 債務超過が解消されていなくてもよいが、前年度より債務超過額が増加してはいけない
    • 新たに債務超過に陥ってはいけない
    • 3期連続赤字のカウントをスタートする

特例措置により、2020年度および2021年度は「債務超過の禁止」が判定対象外とされました。さらに、配分金改革に伴う特例措置によって、2023年度も判定対象外となっています。

一方、2022年度は猶予期間に該当しており、「債務超過が解消されていなくてもよいが、前年度より債務超過額が増加してはいけない」「新たに債務超過に陥ってはいけない」というルールが適用されました。

2024年度も猶予期間の対象となり、先に確認した通り、新たに債務超過に陥る可能性のあったAC長野パルセイロに対しては、停止条件付ライセンス交付という措置が取られました。

2025年度は「債務超過の禁止」が適用される通常運用に一旦戻りましたが、2026年の特別シーズンおよび2026/27シーズンに該当する年度については、シーズン移行に伴う特例措置の導入により、再び「債務超過の禁止」は判定対象外となります。

その後、2027/28シーズンの猶予期間を経て、2028/29シーズンに該当する年度から、通常運用へ再び戻る予定です。

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最終更新日:
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