2026年1月現在、J1・J2クラブライセンス交付規則における財務基準は、以下の8項目で構成されています。
| 基準番号 | 等級 | 項目 |
|---|---|---|
| F.01 | A | 年次財務諸表(監査済み) |
| F.02 | A | 中間財務諸表(レビュー済み) |
| F.03 | A | 選手移籍活動によって生じる他のサッカークラブに対する期限経過未払金の皆無 |
| F.04 | A | 従業員や社会保険当局、税務当局に対する期限経過未払金の皆無 |
| F.05 | A | ライセンス交付の決定に先立つ表明書 |
| F.06 | A | 予算および予算実績、財務状況の見通し |
| F.07 | A | ライセンス交付後の重要な後発事象の通知義務 |
| F.08 | A | 財務状況の見通しの修正義務 |
このうち、いわゆる「3期連続赤字の禁止」および「債務超過の禁止」を直接規定しているのが、F.01「年次財務諸表(監査済み)」です。
この基準では、ライセンス申請時点における直近の確定決算が審査の対象となります。
例えば、2019年に申請する2020年シーズンのクラブライセンス判定では、2018年度決算において、
- 3期連続赤字に該当していないこと
- 債務超過の状態にないこと
が、ライセンス交付の前提条件となります。
さらに、F.06「予算および予算実績、財務状況の見通し」では、進行中の事業年度における決算の見通しも判定の対象となります。
先ほどと同じく、2019年に申請する2020年シーズンのクラブライセンス判定を例に取ると、進行中である2019年度決算の見通しにおいて、
- 3期連続赤字となる可能性が高い
- 債務超過に陥る可能性が高い
にもかかわらず、それを回避できる合理的な説明がなされない場合、2020年シーズンのクラブライセンスは不交付、あるいは充足期限を設けた上での停止条件付き交付といった判定が下されることになります。
引用終わり出典Jリーグクラブライセンス交付規則・運用細則 2019F.01 年次財務諸表(監査済み) A等級
3. 判定
(2) 提出された財務諸表に基づいて審査を行い、以下のいずれかに該当する場合は基準F.01を満たさないものとする。
① 3期以上連続で当期純損失を計上した場合。(ただし、ライセンスを申請した日の属する事業年度の前年度末日現在の純資産残高が、同前年度の当期純損失の額の絶対値を上回っている場合は、本項目に該当しないものとみなす)
② ライセンスを申請した日の属する事業年度の前年度末日現在、純資産の金額がマイナスである(債務超過である)場合
③ Jリーグからの指摘に基づき、過年度の決算修正が必要となり、その結果として前2号に該当した場合
引用終わり出典Jリーグクラブライセンス交付規則・運用細則 2019F.06 予算および予算実績、財務状況の見通し A等級
3. 判定
ライセンス申請者が以下のいずれかの状況である場合は、本基準を満たさないものとする。
⑤ 審査の結果、ライセンス申請者の財務状況が、すでに基準F.01に対する運用細則の内容を充足しないと判断される場合
以上のように、財務基準における「3期連続赤字の禁止」と「債務超過の禁止」は、単に確定した直近決算のみを形式的に確認するものではなく、進行中の事業年度における財務状況の見通しも含めて審査される仕組みとなっています。
次に、「3期連続赤字の禁止」および「債務超過の禁止」の条文そのものについて、さらに詳しく掘り下げていきます。
特に「3期連続赤字の禁止」については、2018年の規則改正により、純資産額が十分に大きいクラブについては、3期以上連続の赤字を例外的に認めるという規定が追加されています。