財務基準
2024年現在、J1・J2クラブライセンス交付規則の財務基準は以下の8項目で構成されています。
基準番号 | 等級 | 項目 |
---|---|---|
F.01 | A | 年次財務諸表(監査済み) |
F.02 | A | 中間財務諸表(レビュー済み) |
F.03 | A | 選手移籍活動によって生じる他のサッカークラブに対する期限経過未払金の皆無 |
F.04 | A | 従業員や社会保険当局、税務当局に対する期間経過未払金の皆無 |
F.05 | A | ライセンス交付の決定に先立つ表明書 |
F.06 | A | 予算および予算実績、財務状況の見通し |
F.07 | A | ライセンス交付後の重要な後発事象の通知義務 |
F.08 | A | 財務状況の見通しの修正義務 |
この中でいわゆる「3期連続赤字の禁止」および「債務超過の禁止」を規定しているのはF.01「年次財務諸表(監査済み)」です。この基準ではライセンス申請時の直近の決算が審査の対象となります。例えば2019年に申請する2020年シーズンのクラブライセンス判定では、2018年度決算で「3期連続赤字」でないこと、「債務 超過」でないことがライセンス交付の条件となります。
さらにF.06「予算および予算実績、財務状況の見通し」で進行中の年度の決算の見通しも判定の対象となります。前述の2019年に申請する2020年シーズンのクラブライセンス判定の例では、進行中の2019年度の決算で「3期連続赤字」または「債務超過」になる可能性が極めて高いと審査された場合、2020年シーズンのクラブライセンスは交付されません。
F.01 年次財務諸表(監査済み) A等級
3. 判定
(2) 提出された財務諸表に基づいて審査を行い、以下のいずれかに該当する場合は基準F.01を満たさないものとする。
① 3期以上連続で当期純損失を計上した場合。(ただし、ライセンスを申請した日の属する事業年度の前年度末日現在の純資産残高がライセンスを申請した日の属する事業年度の前年度の当期純損失の額の絶対値を上回っている場合は本項目に該当しないものとみなす)。
② ライセンスを申請した日の属する事業年度の前年度末日現在、純資産の金額がマイナスである(債務超過である)場合。
③ Jリーグからの指摘に基づき、過年度の決算の修正が必要となった場合において、過年度の決算を修正した結果、前2号に示す事態となった場合Jリーグクラブライセンス交付規則・運用細則 2019
F.06 予算および予算実績、財務状況の見通し A等級
3. 判定
ライセンス申請者が以下のいずれかの状況である場合は、本基準は満たさないものとする。
⑤ 審査の結果、ライセンス申請者の財務状況がすでに基準F.01に対する運用細則の内容を充足する内容でないと判断される場合
Jリーグクラブライセンス交付規則・運用細則 2019
ここでは財務基準の「3期連続赤字の禁止」と「債務超過の禁止」に関する規定の所在と、直近の決算に加えて進行中の年度の決算の見通しが審査の対象になることを確認しました。
次に「3期連続赤字の禁止」と「債務超過の禁止」の条文について詳しく掘り下げていきます。特に「3期連続赤字の禁止」については2018年の規則改正により、純資産額が十分大きいクラブには3期以上連続の赤字を認めるという内容が追加されています。
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