営業収入について
営業収入とは、企業の営業活動によって生じた収入です。
プロスポーツクラブの営業収入の内訳は、スポンサー収入、入場料収入、Jリーグ配分金、物販収入、賞金、移籍金収入などです。このうちスポンサー収入、入場料収入、放映権料(リーグ配分金)が三本柱と言われています。
営業収入の見方
クラブの営業収入を時系列で表示することで、項目毎の成長度合いがわかります。また、年別表示で応援するクラブと他のクラブを比較することで、クラブのJリーグ内での相対的な位置付けや、収入の特色を見出すことができます。
営業収入の項目
- スポンサー収入(広告料収入): スポンサーによる収入
- 入場料収入: ホーム主催試合の入場料収入
- Jリーグ配分金: Jリーグから配分される資金(元手は主に放映権料)
- 物販収入: グッズ売上
- アカデミー関連収入: スクール事業による収入など
- その他収入: 選手移籍関連収入、賞金、出場料、出演料など
スポンサー収入(広告料収入)
スポンサー収入は、トップチームユニフォームやピッチ看板、マッチスポンサー、練習着、アカデミーユニフォームなどに掲載する広告料です。Jクラブの収入源の中で最も大きな割合を占めます。
2018年度より項目名が「広告料収入」から「スポンサー収入」に変更されました。
入場料収入
入場料収入はクラブ主催のホームゲームのチケット代です。入場料収入を上げる方法は、ホーム主催試合を増やす、平均入場者数を増やす、チケットの単価を上げることです。この件は入場者数の項で詳しく説明します。
Jリーグ配分金
Jリーグから支給される配分金です。賞金はこの項目に含みません。配分金の 原資はリーグが一括で管理する公衆送信権料収益(放映権料)とリーグ協賛金を主な元手として各クラブに配分されます。2023年に配分金規程の改正があり、Jリーグの配分金は以下の4種類に分類されています。
- Jクラブ支援費: 以下の6種類で構成
- 事業協力配分金: Jリーグパートナー企業とのサッカー普及活動を目的として、協賛金収益を原資として全てのJクラブに支給
- 理念強化配分金: 公衆送信権料収益を原資としてJ1上位クラブ及びび年間ファン指標上位クラブに支給
- ACLサポート配分金: 公衆送信権料収益を原資としてACL参加クラブに支給
- ファン指標配分金: スタジアム来場者数の向上を目的とし、公衆送信権料収益を原資として全てのJクラブに支給
- アカデミー支援配分金: 技術レベルの高いプロサッカー選手の育成を目的とし、協賛金収益を原資として全てのJクラブに支給
- フェアプレー推進配分金: 公式試合のフェアプレーの推進を目的とし、協賛金収益を原資として全てのJクラブに支給
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降格救済配分金: 公衆送信権料収益を原資としてJ1からJ2、J2からJ3に降格したJク ラブに支給2023年度限りで廃止
- 公衆送信権料配分金: 公衆送信権料収益を原資として全てのJクラブに支給
- 商品化権料配分金: 商品化事業収益を原資として全てのJクラブに支給
- 一般交付金: 独立行政法人日本スポーツ振興センターからJリーグに支払われる支援経費を原資として全てのクラブに支給 (旧toto交付金)
配分金の詳細については別ページで説明しています。
アカデミー関連収入
スクール事業などアカデミー関連の収入です。2011年度の経営情報開示から新たに分類されるようになりました。2010年度以前のアカデミー関連収入は「その他収入」の中に含まれています。
アカデミー関連の事業を別法人でおこなっているクラブはこの値が0になっています。2018年度経営情報以降、アカデミー事業などを運営する関連する法人の営業収益が発表されるようになりました。
物販収入
グッズの売上による収入です。2016年度の経営情報開示から新たに分類されるようになりました。2015年度以前の物販収入は「その他収入」の中に含まれています。Jリーグ発表資料に『「物販収入」および「物販関連費」は、代理店に委託販売しているケース等もあることから、取扱い高総額でのクラブ間比較はできない』と記されているため、あくまで参考として見るのがよいと思います。
その他収入
選手移籍関連収入、賞金、出場料、出演料など。
移籍金や大会賞金などが含まれるので、年度によって大きく変動する値です。
関連する法人(アカデミーなどサッカー及びその他関連する事業を運営する法人)の営業収益
別法人の営業収益であるためクラブの営業収入には含まれませんが、先述の通りアカデミー事業を関連法人で行っているクラブもあるため、関連情報として営業収入の表に掲載しています。
2022年11月現在のJクラブの関連会社(法人)一覧はJリーグが公開している「Jリーグ クラブ経営ガイド 2022」の77ページで確認することができます。
営業収入の分類の変化
Jクラブ個別経営情報開示資料では、開示されている内訳が変わっています。 営業収入は2005年度の開示では広告料収入、入場料収入、Jリーグ配分金、その他収入の4項目で発表されていましたが、2022年度以降は広告料収入、入場料収入、Jリーグ配分金、アカデミー関連収入、女子チーム関連収入、物販収入、その他収入の7項目になっています。
2005年度〜2011年度
- 広告料収入
- 入場料収入
- Jリーグ配分金
- その他収入 (アカデミー関連収入 + 女子チーム関連収入 + 物販収入 + その他収入)
2012年度〜2015年度
- 広告料収入
- 入場料収入
- Jリーグ配分金
- アカデミー関連収入
- その他収入 (女子チーム関連収入 + 物販収入 + その他収入)
2016年度〜2021年度
- 広告料収入 (2018年度以降は「スポンサー収入」表記)
- 入場料収入
- Jリーグ配分金
- アカデミー関連収入
- 物販収入
- その他収入 (女子チーム関連収入 + その他収入)
2022年度〜
- 広告料収入
- 入場料収入
- Jリーグ配分金
- アカデミー関連収入
- 女子チーム関連収入
- 物販収入
- その他収入
参考
[J公式] Jリーグ配分金規程 (2023年1月1日改正)
[J公式] Jリーグ配分金規程 (2022)
[ゲキサカ] Jリーグ、理念強化配分金の制度を変更! “翌年10億”廃止で“安定支給”へ (2019/9/24): 理念強化配分金の変更
[浦和] 経営情報: 営業収入の内訳についての説明
[札幌] 決算情報: 内訳を詳細に記述した有価証券報告書を掲載
[J公式] JリーグとDAZNの新たな放映権契約について (2020年8月26日)
[J公式] 2021年度配分金について (2020年10月13日)
- 経営情報の見方
- 損益計算書
- 貸借対照 表
- 営業収入
- 営業費用
- 入場者数
- クラブライセンス関連