2022年04月25日
ファジアーノ岡山が2021年度決算を発表
ファジアーノ岡山を運営する株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブは2022年4月25日、2021年度の決算を発表しました。
主な指標
項目 | 数値 | 前年比 |
---|---|---|
営業収入 | 15.71億円 | 2.09億円 |
営業利益 | 0.14億円 | 0.51億円 |
経常利益 | 0.18億円 | 0.35億円 |
当期純利益 | 0.18億円 | 0.37億円 |
純資産 | 2.76億円 | 1.42億円 |
2021年度決算 損益計算書 (抜粋)
(単位: 百万円) | 営業収入 | 営業費用 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
---|---|---|---|---|---|
2019決算 | 1567 | 1565 | 2 | 2 | 1 |
2020決算 | 1362 | 1399 | -37 | -17 | -19 |
2021決算 | 1571 | 1557 | 14 | 18 | 18 |
前年比 | 209 | 158 | 51 | 35 | 37 |
収支のバランス
ファジアーノ岡山は新型コロナウイルスの流行に伴う減収によって、2020年度決算において9年ぶりの赤字となりました。しかしながら、当期純損失は1900万円程度と比較的小さく、収支のバランスを大きく崩したわけではありません。
2021年度決算では、後述する岡山市社会体育施設の指定管理事業の寄与も大きく営業収入は大幅増。営業費用も増加し、従来通りのバランスの良い収支となっています。
コロナ禍以前の水準との比較
ファジアーノ岡山の2021年度決算における営業収入は15.71億円でした。新型コロナウイルス流行の影響を受けていない2019年度決算の15.67億円を超えて、過去最高の営業収入を達成しています。
しかしながら、この収入増は岡山市社会体育施設の指定管理事業の寄与が大きく、スポンサー収入と入場料収入は2019年度決算と比べると、それぞれ約4000万円ほど低い水準にあります。
クラブ全体としての営業収入はコロナ前の2019年度の水準まで回復しましたが、これは2021年4月より受託いたしました岡山市社会体育施設の指定管理事業が大きく寄与しております。
2021年度決算 貸借対照表 純資産の部
(単位: 百万円) | 純 資産 | 資本金 | 資本剰余金等 | 利益剰余金 | (当期純利益) |
---|---|---|---|---|---|
2019決算 | 153 | 98 | 36 | 19 | 1 |
2020決算 | 134 | 98 | 36 | 0 | -19 |
2021決算 | 276 | 62 | 196 | 18 | 18 |
前年比 | 142 | 36 | 160 | 18 | 37 |
2021年11月に実施した減資及び増資によって、純資産の増加分は当年度の当期純利益よりも大きくなっています。
2021年の減資及び増資
ファジアーノ岡山は2021年12月に減資及び第三者割当増資の完了を発表しています。
2021年の減資
(単位: 百万円) | 純資産 | 資本金 | 資本剰余金等 | 利益剰余金 | 発行済株式数 |
---|---|---|---|---|---|
2020決算 | 134 | 98,250,000円 | 36,250,000円 | 0 | 269株 |
減資後 | 134 | 982,500円 | 133,517,500円 | 0 | 269株 |
差分 | 0 | 97,267,500円 | 97,267,500円 | 0 | 0株 |
減資は資本金の減少分を他の項目に振り替える会計処理であるため、減資の前後で純資産の額は変わりません。この減資では、資本金の減少分を全額資本剰余金等に振り替えています。利益剰余金への振り替えは、利益剰余金がマイナスの場合のみ認められます。
2021年の第三者割当増資
(単位: 百万円) | 純資産 | 資本金 | 資本剰余金等 | 利益剰余金 | 発行済株式数 |
---|---|---|---|---|---|
2020決算 | 134 | 98,250,000円 | 36,250,000円 | 0 | 269株 |
減資後 | 134 | 982,500円 | 133,517,500円 | 0 | 269株 |
増資後 | 258 | 62,732,500円 | 195,267,500円 | 0 | 516株 |
差分 | 124 | 61,750,000円 | 61,750,000円 | 0 | 247株 |
第三者割当増資の規模は総額で1億2350万円。プレスリリースから推定すると、新株式を1株につき500,000円の発行価格で247株発行しています。また、増資による払込額の1/2に当たる6175万円を資本剰余金等に計上しています。
なおこの増資の引受先は不明です。今年4月にファジアーノ岡山の筆頭株主は木村正明氏に変更されていますが、当時Jリーグ専務理事の役職であった木村正明氏を昨年の増資の引受先とすることは規約上不可能です(Jリーグ規約第30条)。
減資及び増資から2021年度決算までの各項目の流れ
(単位: 百万円) | 純資産 | 資本金 | 資本剰余金等 | 利益剰余金 |
---|---|---|---|---|
2020決算 | 134 | 98 | 36 | 0 |
減資後 | 134 | 1 | 134 | 0 |
増資後 | 258 | 63 | 195 | 0 |
2021決算 | 276 | 63 | 195 | 18 |
2020年度決算から2021年に実施した減資及び増資、そして2021年度決算までの純資産の部の流れは以上のようになります。2021年度決算の純資産は、増資後の純資産2.58億円に2021年度決算の当期純利益0.18億円を加えた2.76億円になります。
一般社団法人ファジアーノ岡山スポーツクラブの設立
本年4月に『株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブ』の関連法人として、地域のための活動を担う『一般社団法人ファジアーノ岡山スポーツクラブ』を設立いたしました。アカデミー(普及、および育成組織)の事業等を一般社団法人に移管してまいりますが、株式会社、一般社団法人がともにしっかり成長し、「子どもたちに夢を!」の理念を、より広く、より深くこの岡山において具現化する取り組みを進めてまいります。
今回のプレスリリースでは、一般社団法人ファジアーノ岡山スポーツクラブの設立が宣言されています。今後はアカデミー事業を一般社団法人に移管する予定のようです。
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