2022年10月25日
いわてグルージャ盛岡が秋田豊氏のオーナー社長就任を発表
いわてグルージャ盛岡を運営する株式会社いわてアスリートクラブは2022年10月25日、2022年シーズンにトップチーム監督を務めていた秋田豊氏の代表 取締役オーナー兼代表取締役社長就任を発表しました。
2019年10月から親会社となっていたNOVAホールディングス株式会社が、保有するいわてアスリートクラブの株式(全体の51.4%)の一部(全体の33.4%)を秋田豊氏個人に譲渡したことが発表されています。これによって、いわてグルージャ盛岡はNOVA傘下を離れることになりました。
このたび、弊社株式会社いわてアスリートクラブ(本社:岩手県盛岡市、代表取締役社長:坂本達朗)が発行し、弊社の親会社であるNOVAホールディングス株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:稲吉正樹)が所有する弊社株式(保有比率にして全体の51.4%)のうち、その一部株式(同 全体の33.4%)を、秋田豊(個人)に譲渡することとなり、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)において、本株式譲渡の承認がなされましたので、10月24日付で株式譲渡契約を締結したことをお知らせ致します。
これまでの資本政策
いわてグルージャ盛岡は2014年のJ3リーグ参入後に大きな体制変更が二度ありました。
一度目は2016年度の株式会社パルコホールディングスによる約1.6億円規模の増資です。
16年11月20日、岩手の公式サイトが役員体制の変更を伝えている。非常勤の取締役会長には遠藤が、そして代表取締役社長には菊池賢が就任。どちらもパルコホールディングスからの出向である。そして資本金を、それまでの7300万円から2億3400万円に増資。いちスポンサーだったパルコホールディングスが、人材を送り込んで増資することで、遠藤は実質的なクラブオーナーとなった。
2019年には二度目の体制変更がありました。パルコホールディングスからの株式譲渡によってNOVAホールディングス株式会社が過半数となる51.0%の株式を取得し、新たに親会社となりました。
このたび、株式会社いわてアスリートクラブ(本社:岩手県盛岡市、代表取締役社長:宮野聡)が発行する株式の51.0%について、NOVAホールディングス株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:稲吉正樹)と株式会社パルコホールディングス(本社:岩手県盛岡市 代表取締役:遠藤渡)が、10月22日付で株式譲渡契約を締結し、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の理事会において、本株式譲渡について承認がなされましたので、お知らせいたします。
今回の株式譲渡によって、いわてグルージャ盛岡はJリーグ参入後3回目の体制変更となります。
2022年度内に増資を実施済み?
今回の体制変更とは直接関係のない話ですが、いわてグルージャ盛岡は2022年度内に大規模な第三者割当増資を実施済みであることが窺われます。
第一の根拠はクラブ公式ウェブサイトに記された資本金の額です。2022年10月25日現在、いわてグルージャ盛岡のウェブサイトの会社概要には資本金が4億600万円と記載されています。この数字はJリーグ発表の2021年度決算の数値である2億8400万円と異なっていることから、2022年度内に第三者割当増資が実施されたことが推測できます。
第二の根拠はエムグループホールディングアンドキャピタル株式会社が2022年9月21日に発表したプレスリリースです。このプレスリリースでは、同社といわてグルージャ盛岡との業務提携及び資本提携を公表しています 。この中に、2022年3月に第三者割当増資を実施し、その一部を同社が引き受けたことが記載されています。
2022年3月に株式会社いわてアスリートクラブが第三者割当増資により新株式(普通株式) を発行し新たに当社が一定数の引き受けをいたしました。
スタジアム建設について
代表取締役オーナーを退任するNOVAホールディングス株式会社の代表取締役社長稲吉正樹氏のコメントには、スタジアム建設について言及されています。
今回の決定は、スタジアム建設のタイムリミットが近づく今、正に「県民一岩」の機運が必要だと判断したためです。
グルージャが県外企業であるNOVAの連結会社ではなく、今やグルージャの顔であり、サッカー界のレジェンドである秋田新オーナーがクラブを牽引し、そしてNOVAが引き続きメインスポンサーとしてグルージャをサポートする。
そのような布陣を組むことが、新スタジアムを実現し、グルージャを更に前進させると考え、決断しました。
ここで述べられている「スタジアム建設のタイムリミット」とは、2019年にクラブライセンス制度に導入された例外規定の期限のことを指します。いわてグルージャ盛岡は例外規定2を使って取得したJ2クラブライセンスによって、2022年シーズンにJ2リーグに昇格しています。
例外規定2とは、ホームスタジアムが上位ライセンスの基準を満たさない場合でも、将来的にJリーグが求める「理想のスタジアム」(Jリーグ規約第34条)を整備することを条件に、5年間の猶予期限付きで上位ライセンスが交付される仕組みです。ただし昇格後3年目のシーズン中のライセンス申請までに具体的な計画を提出できなければ次のシーズンの上位ライセンスは交付されません。(各クラブライセンス交付規則 施設基準I.01)
いわてグルージャ盛岡はJ2リーグ昇格後3年目のシーズンである2024年の6月末を期限までに具体的なスタジアムの計画を提出できなければ2025年シーズンのJ2ライセンスを取得することができません。
第34条 〔理想のスタジアム〕
(1) 公式試合で使用するスタジアムは、Jリーグスタジアム基準を充足することに加え、アクセス性に優れ、すべての観客席が屋根で覆われ、複数のビジネスラウンジやスカイボックス、大容量高速通信設備(高密度Wi-Fi等)を備えた、フットボールスタジアムであることが望ましい。
(2) 前項の「アクセス性に優れる」とは、次の各号のいずれかを充足していることをいう。
① ホームタウンの中心市街地より概ね20分以内で、スタジアムから徒歩圏内にある電車の駅、バス(臨時運行を除く)の停留所または大型駐車場のいずれかに到達可能または近い将来に到達可能となる具体的計画があること
② 交流人口の多い施設(大型商業施設等)に隣接していること
③ 前各号のほか、観客の観点からアクセス性に優れていると認められること
2025年シーズン以降のJ2クラブライセンスを失効を避けるために、スタジアム整備を前進せることが秋田豊氏によるいわてグルージャ盛岡の新体制の喫緊の課題となります。
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