2023年04月15日
サガン鳥栖が2022年度決算を発表
サガン鳥栖を運営する株式会社サガン・ドリームスは2023年4月15日、2022年度決算を発表しました。
主な指標
発表されたのは売上高(営業収入)及びその内訳、経常利益、当期純利益、純資産額などです。
項目 | 数値 | 前年比 |
---|---|---|
売上高(営業収入) | 27.61億円 | 4.93億円 |
経常利益 | 1.99億円 | 3.70億円 |
当期純利益 | 1.78億円 | 3.99億円 |
純資産 | ▲2.86億円 | 1.78億円 |
サガン鳥栖の2022年度の売上高は27.61億円、前年比で4.93億円と大幅な増加です。コロナ禍前の2019年の水準を上回りました。内訳としては広告料収入の割合が大きく約3.89億円の増加、また新型コロナウイルスの影響による入場制限の緩和により興行収入(入場料収入)も1億円近く増加しています。
売上の増加と費用の抑制によって当期純利益は1.78億円となり、2017年度以来となる5期ぶりの黒字決算となりました。
債務超過の解消に向けて
サガン鳥栖は2019年度に収支のバランスを大きく崩し、2020年度決算で純資産額がマイナスになる債務超過に陥りました。債務超過額は2020年度決算で6.93億円、2021年度決算は赤字決算であったものの第三者割当増資の実施によって4.64億円となっています。なお新型コロナウイルスの流行に伴い設けられたクラブライセンス制度の財務基準の特例措置によって、2020年度から2023年度の決算では債務超過であることが認められています。
収支の改善によって億単位の黒字が出せるようになったことから、2022年度決算の債務超過額は2.86億円に減少しています。仮にこのペースで黒字を出し続けた場合、2024年度決算で債務超過の解消が可能となります。
また、債務超過解消について、小柳社長は「Jリーグライセンスの特例措置がなくなる25年中に返す。残り2年で返していくことに変わりはない」と話し、24年度決算までの解消を目指す。
なお2023年の均等配分金の減額により、財務基準の特例措置及び猶予期間は2024年度決算まで延長されています。したがって2024年度決算で債務超過が解消できない場合は、2025年度決算で必ず債務超過が解消されていなければなりません。
このとき、2025年に実施するライセンス申請で、2025年度内の債務超過解消が合理的に見込まれると判断されることが2026年シーズンのクラブライセンス交付の条件となります。
売上高の分類
サガン鳥栖が発表している売上高(営業収入)の内訳はJリーグの区分と異なります。
2021年度決算の各区分の数値をJリーグが発表しているクラブ経営情報の区分と比較してみると、下記のように対応します。
鳥栖区分 | Jリーグ区分 |
---|---|
興行収入 | 入場料収入 |
広告料収入 | スポンサー収入 |
商品売上高 | 物販収入 |
Jリーグ分配金収入 | Jリーグ配分金 * |
アカデミー収入 | アカデミー関連収入 |
その他の売上高 | その他収入 + Jリーグ配分金の一部 * |
鳥栖区分の「Jリーグ分配金収入」とJリーグ区分の「Jリーグ配分金」の数値は一致しません。2021年度決算の鳥栖区分「Jリーグ分配金収入」は3億5200万円(百万円で四捨五入)であるのに対して、Jリーグ区分の「Jリーグ配分金」は3億9400万円となっています。
その理由として、鳥栖区分「その他の売上高」に含まれる「Jリーグ交付金」が、Jリーグ区分では「Jリーグ配分金」として計上されていることが考えられます。「Jリーグ交付金」が何を示しているかは正直分からないのですが、鳥栖区分の「Jリーグ分配金収入」の金額はJ1の均等配分金3億5000万円とほぼ一致していることから、「Jリーグ交付金」は配分金における傾斜配分による金額を表しているのかもしれません。
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