【2022年度完全版】債務超過額が減少したクラブ

2023年07月25日

【2022年度完全版】債務超過額が減少したクラブ

Jリーグは2023年7月25日、2022年度のJクラブ経営情報開示資料の完全版を公表しました。
これは5月に公表された先行発表版に3月決算の柏、湘南の2クラブの経営情報と、決算月の異なる「関連する法人の営業収入」の数値を加えたものです。

2022年度決算では、2021年度決算で債務超過であった12クラブのうち6クラブが依然債務超過の状態にあります。

2022年度決算で債務超過であったクラブは2025年度決算までに債務超過を解消しなければなりません

クラブ経営情報
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2022年度決算におけるクラブの動向

状態クラブ
債務超過解消6名古屋、仙台、磐田、山口、福島、沼津
債務超過額減少6柏、C大阪、福岡、鳥栖、東京V、鳥取
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債務超過額が減少したクラブ

柏レイソル、セレッソ大阪、アビスパ福岡、サガン鳥栖、東京ヴェルディ、ガイナーレ鳥取の6クラブ

柏レイソル

  • 2021年度決算の純資産額: -3.61億円
  • 2022年度決算の純資産額: -2.58億円 (1.03億円)
  • 2022年度の当期純利益: 1.03億円
  • (参考)2022年度の営業収入: 46.32億円

セレッソ大阪

  • 2021年度決算の純資産額: -12.04億円
  • 2022年度決算の純資産額: -11.46億円 (0.58億円)
  • 2022年度の当期純利益: 0.57億円
  • (参考)2022年度の営業収入: 42.16億円

アビスパ福岡

  • 2021年度決算の純資産額: -3.55億円
  • 2022年度決算の純資産額: -3.33億円(0.22億円)
  • 2022年度の当期純利益: -0.01億円
  • 2022年度内の増資額: 0.23億円
  • (参考)2022年度の営業収入: 28.29億円
アビスパ福岡が2022年度決算を発表 (2023年4月26日)

サガン鳥栖

  • 2021年度決算の純資産額: -4.64億円
  • 2022年度決算の純資産額: -2.86億円(1.78億円)
  • 2022年度の当期純利益: 1.78億円
  • (参考)2022年度の営業収入: 27.61億円
サガン鳥栖が2022年度決算を発表 (2023年4月15日)

東京ヴェルディ

  • 2021年度決算の純資産額: -5.04億円
  • 2022年度決算の純資産額: -4.89億円(0.15億円)
  • 2022年度の当期純利益: 0.16億円
  • (参考)2022年度の営業収入: 21.16億円

ガイナーレ鳥取

  • 2021年度決算の純資産額: -2.41億円
  • 2022年度決算の純資産額: -2.36億円(0.05億円)
  • 2022年度の当期純利益: 0.05億円
  • (参考)2022年度の営業収入: 4.86億円
ガイナーレ鳥取が2022年度決算を発表 (2023年4月25日)

クラブライセンスについて

Jリーグクラブライセンス制度の財務基準ではJクラブが債務超過に陥ることを禁止していますが、新型コロナウイルスの影響により時限的に債務超過を認める特例が設けられています。特例には特例措置猶予期間の2段階があり内容は以下の通りになります。

特例措置・猶予期間

特例措置

  • 債務超過、3期連続赤字をライセンス交付の判定対象としない
  • 対象年度に新たに債務超過に陥っても判定対象としない

2020年度決算、2021年度決算、2023年度決算が対象
当初は2020年度決算、2021年度決算が対象

猶予期間

  • 債務超過が解消されていなくてもよいが、前年度より債務超過額が増加してはいけない
  • 新たに債務超過に陥ってはいけない
  • 3期連続赤字のカウントをスタートする

2022年度決算、2024年度決算が対象
当初は2022年度決算、2023年度決算が対象。2023年度決算は特例措置に変更、新たに2024年度決算も猶予期間の対象に。

特例措置なし

  • 債務超過が解消されていなければならない
  • 赤字が継続しているクラブは、3期連続赤字に抵触する可能性がある

2025年度決算から特例措置なし
当初は2024年度決算から特例措置なし。2024年度決算は猶予期間に変更。

2023年の均等配分金減額の影響を受け当初のスケジュールが改定されています。債務超過解消の期限は当初の2024年度末から2025年度末に一年延長しています

2023年度決算がクラブライセンス制度の財務基準・特例措置の対象に (2023年1月3日)

具体的なライセンス審査は

クラブライセンス制度で定める「3期連続赤字の禁止」及び「債務超過の禁止」では、前事業年度の決算(財務基準F.01)と進行中の事業年度の決算の見通し(財務基準F.06)が判定対象となります。

2023年に実施する2024年シーズンのクラブライセンス判定

進行中の事業年度である2023年度決算は特例措置なので、仮に債務超過額が増加してしまってもクラブライセンス判定に影響することはありません。

2024年に実施する2025年シーズンのクラブライセンス判定

前事業年度の2023年度決算は特例措置なので判定対象外です。

進行中の事業年度である2024年度決算は猶予期間なので、債務超過額が増加しない事が合理的に見込まれることが必要になります。

2025年に実施する2026年シーズンのクラブライセンス判定

前事業年度の2024年度決算は猶予期間なので、債務超過額が増加していないことが必要になります。

進行中の事業年度である2025年度決算は特例措置なしなので、債務超過の解消が合理的に見込まれることが必要になります。

基準未充足の場合は

Jリーグが2021年10月に発表した「2022年度以降のクラブライセンス判定における財務基準について」では「上記の財務基準未充足となった場合には、J1・J2クラブは次シーズン下位リーグ所属、J3クラブは次シーズン勝点10点減とする。」ことが記載されています。

2022年度以降のクラブライセンス判定における財務基準について (2021年10月26日)
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猶予期間の基準未充足については上記の運用がされるでしょう。
例えば2024年度決算で債務超過額が増加した場合、J1・J2クラブは降格、J3クラブは勝点10減という制裁付きでライセンスが交付されると考えられます。

では特例措置なしになる2025年度以降の基準未充足についてはどうなるでしょうか。
例えば2025年度決算で債務超過を解消できなかった場合、猶予期間と同様に制裁付きでライセンス交付となるのか、それとも従来通りクラブライセンス不公布になるのでしょうか。現時点ではわかりません。個人的は従来通りクラブライセンス不交付になるのではと考えています。

規約・規程
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【2022年度完全版】債務超過額が減少したクラブ

日付: 2023年07月25日

最終更新日: 2023年12月08日

クラブ: 東京VC大阪福岡鳥栖鳥取

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