2024年03月26日
カターレ富山が2023年度決算を発表
カターレ富山を運営する株式会社カターレ富山は2024年3月26日、2023年度決算(自2023年2月1日、至2024年1月31日)を発表しました。
主な指標
今回発表されたのは営業収入とその内訳、営業費用とその内訳です。営業収入と営業費用の差が「損益」として発表されており、昨年まで発表されていた営業外利益、当期純利益は未発表となっています。
項目 | 数値 | 前年比 |
---|---|---|
営業収入 | 7億8600万円 | 1億0900万円 |
営業費用 | 8億2300万円 | 1500万円 |
営業利益 | ▲3600万円 | 1億2400万円 |
営業収入は7億8600万円。J2所属であった2014年度の7億3500万円を上回り、過去最高の営業収入を達成しています。
過去最高の売上高を更新する一方で、J2昇格に向けた強化費への投入により2期連続の純損失を計上しています。貸借対照表は未発表ですが、2022年度の純資産額3800万円と今期の損失3600万円で単純計算すると、2023年度決算の純資産額は200万円となります。
2024年度は方針転換
カターレ富山が発表しているリリースの通り、2022年度、2023年度は収入ではなく強化費から逆算した予算設定を行い、単年の収支よりもトップチーム の強化に重点を置いた経営を行ってきました。
しかしながら2023シーズンは自動昇格圏の2位鹿児島と同勝ち点、得失点差によってJ2昇格を逃しています。
私が代表になり3期が経過いたしました。着任当初、の経営規模(約5.5億円)を見る限り「J2に戻る規模ではないな」というのが正直なところでした。J2復帰に統計上必要な強化費3.5億円に対して、2020シーズンは2.1億円、この規模では現場が疲弊しているだろうと心が痛みました。赤字を出さずに強化費3.5億円を賄うためには最低でも7.8億円の収益が必要です。当時の収益規模からして、7.8億円をキャッチアップするには最低でも3年は必要と想定いたしました。それが2023年度であり、そのラインによく社員は引っ張り上げてくれたと感謝しております。
では、2023シーズンまでJ2復帰はお預けとしたか…私はそうしませんでした。正確にはJ2復帰の旗を下ろす空気などどこにもありませんでした。ならば過去2年間、復帰に足る強化費をつけ、稼ぎの足りない分は赤字を覚悟して内部留保を取り崩しながら凌いでいく経営を選択いたしました。この2年間 を耐え凌ぐに足る蓄えを確保するため、第三者割当て増資も行い、J2復帰の日を待ちました。
残念ながら昨シーズン、髪の毛一本の差で復帰を逃し、そして今回の赤字決算で、蓄えも殆ど底を尽きました。よって今年戦う資金は今年稼ぐお金だけで、過去2年のような蓄えの取り崩しはできません。まさに背水の陣の中での戦いとなります。幸いなことに、社員やご支援いただいた皆様のおかげで、今年度より赤字を出さずにJ2復帰に必要な強化費を賄うまでの実力がつきました。背水の陣ではありますが、「自力経営」で最後の力を振り絞って戦って参る所存です。
前2期の攻めの経営の結果純資産額は200万円となり、今期200万円以上の赤字を計上すると債務超過に陥ることになります。2024年度はクラブライセンス制度の財務基準における特例措置の猶予期間の対象となり新たに債務超過に陥ることが禁止されています。
特例措置
2020年度、2021年度、2023年度決算が対象
- 債務超過、3期連続赤字をライセンス交付の判定対象としない
- 対象年度に新たに債務超過に陥っても判定対象としない
猶予期間
2022年度、2024年度決算が対象
- 債務超過が解消されていなくてもよいが、前年度より債務超過額が増加してはいけない
- 新たに債務超過に陥ってはいけない
- 3期連続赤字のカウントをスタートする(2024年度から)
したがって2024年度は黒字化が経営上の最優先事項となり、その上でJ2昇格に向けた強化を行う方針となります。
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