2024年04月16日
鹿島アントラーズが2023年度決算を発表
鹿島アントラーズを運営する株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーは2024年4月16日、2023年度決算(2023年2月1日〜2024年1月31日)を発表しました。
主な指標
今回発表されたのは2023年度決算の損益計算書の概要です。2021年度の発表までは営業収入、営業費用の内訳がJリーグ区分に則り発表されていましたが、今年も昨年に引き続きその内訳は公表されていません。内訳は5月末のJリーグによる開示で明らかになります。
項目 | 数値 | 前年比 |
---|---|---|
売上高(営業収入) | 64億6200万円 | 3億4600万円 |
営業利益 | ▲3億1500万円 | 5億0100万円 |
経常利益 | ▲3億2600万円 | 3億5100万円 |
当期純利益 | ▲3億1100万円 | 3億6600万円 |
鹿島アントラーズの2023年度の営業収入は64億6200万円。前年比で3億4600万円の増収となっています。その要因としては、新型コロナウイルスの影響による入場制限の廃止や国立競技場でのホームゲーム開催による入場者数の増加が考えられます。(リーグ戦平均16,161人→22,031人、年間入場者数300,588人→410,188人)
2023年度の純損失額は3億1100万円。前年度に比べて損失額は小さくなっていますが、2期で合計10億円近い純損失を計上する結果となっています。
ただし、2022年度内に株式会社メルカリと株式会社LIXILを引受先とする合計13億7400万円の第三者割当増資を実施しており、2023年度決算における純資産額は15億6300万円(年度内の増資がない場合)と安定した財務基盤を維持しています。
とはいえ数億円単位の赤字が続く状態は持続可能ではないため収支の改善が必要となります。
なおクラブライセンスの財務基準については、特例措置のスケジュール改定により2023年度決算は3期連続赤字カウントの対象外となっているため、この結果が影響することはありません。
追記 (2024/04/17)
4月17日付のスポーツ報知の記事には小泉文明社長による会見の内容が掲載されています。それによると3億1100万円という当期純損失について「当初の想定よりはいい数字」との見解が示されています。2022年度に実施した増資を背景に意図的な積極財政を図っていたことが伺えます。
小泉文明社長は「赤字幅が広がるかと思っていたが、集客数がかなり戻ったことが大きかった。赤字ではあるものの、当初の想定よりはいい数字」と振り返った。
2024年度については収支の改善をしつつも積極財政の継続が明言されています。
今年度の決算分から理念強化配分金(23年度競技順位、DAZN視聴者数に基づく年間ファン指標順位による配分金)が復活すること、昨年度に過去2番目の総入場者数を記録するなどコロナ禍で減少した客足が戻りつつあることもあり、同社長は「24年度分から、かなり改善することになると思っている」と見据えた。
またチームの強化費についても言及。ACLやクラブW杯の賞金が大幅に増加した昨今の事情を踏まえ、「フットボールへの投資に対するリスク・リターンのバランスが、コロナ禍では悪かったが改善してきて いる」とコメント。育成組織へのソフト・ハード両面での積極的な投資の継続を明言しつつ「フットボールがクラブ経営全体に及ぼす影響が上がっていくトレンドは間違いない。(強化費を)上げていけるよう、クラブとして頑張っていきたい」と述べた。
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