レッドブルが大宮アルディージャへの経営参画と報道

2024年06月28日

レッドブルが大宮アルディージャへの経営参画と報道

レッドブル社が大宮アルディージャへの経営参画を行うことが2024年6月27日付の朝日新聞及び6月28日付のスポーツ報知で報じられています。

エナジードリンクの販売を国際的に展開するレッドブル社が、サッカーJ3大宮アルディージャの経営に参画する方針を示していることが26日、複数の関係者への取材でわかった。

大宮はさいたま市を拠点とし、現在J3で首位。レッドブル社はオーストリアのザルツブルクやドイツのRBライプチヒ、ブラジルのレッドブル・ブラガンチーノなどの経営に関わっている。

レッドブル、大宮アルディージャの経営参画へ 外資系がJ参入方針

エナジードリンクの販売を世界的に展開するレッドブル社(本社・オーストリア)が、J3大宮アルディージャに対し経営の参画に動き出していることが27日までに分かった。

同社は、かつて日本代表MF南野拓実が在籍したオーストリア1部レッドブル・ザルツブルク、ドイツ1部ライプチヒやブラジル1部のレッドブル・ブラガンチーノなどの経営に携わっている。関係者によると、日本での初参入先として複数の候補から大宮に絞って経営参画に向けた準備を進めており、27日までに大宮の選手・チーム関係者にも伝達された。今後は大宮を運営するエヌ・ティ・ティ・スポーツコミュニティ社とレッドブル社が共同で合弁会社を設立するなどして段階的に株式を取得し、来年には過半数の取得を目指す見通しという。

レッドブル、J3大宮の経営参画へ 既に選手・チーム関係者に伝達済み 来年株式過半数取得の見通し

レッドブル、大宮アルディージャの経営参画へ 外資系がJ参入方針 (2024年6月27日)
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レッドブル、J3大宮の経営参画へ 既に選手・チーム関係者に伝達済み 来年株式過半数取得の見通し (2024年6月28日)
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運営権取得のスキームは

レッドブルによる大宮アルディージャへの経営参画は2024年2月にスポニチアネックスが報じていましたが、今回スポーツ報知の記事で具体的な内容の一部が初めて明らかになりました。2月の報道では「買収」という言葉が使われていたものの、朝日、報知の両記事ともに「経営参画」という言葉に留まり、今後もNTT東日本が経営に関わることが示唆されています。

今後は大宮を運営するエヌ・ティ・ティ・スポーツコミュニティ社とレッドブル社が共同で合弁会社を設立するなどして段階的に株式を取得し、来年には過半数の取得を目指す見通しという。

レッドブル、J3大宮の経営参画へ 既に選手・チーム関係者に伝達済み 来年株式過半数取得の見通し

大宮アルディージャの運営会社はエヌ・ティ・ティ・スポーツコミュニティ株式会社です。2024年6月時点の会社概要によると出資企業は東日本電信電話株式会社(NTT東日本)の1社であるため、エヌ・ティ・ティ・スポーツコミュニティはNTT東日本の完全子会社であると考えられます。

レッドブル社が大宮アルディージャの運営権を取得するには、NTT東日本が保有するエヌ・ティ・ティ・スポーツコミュニティの株式のうち過半数を株式譲渡によって取得するのが最も簡易な方法です。

ところが報道によると、レッドブル社はエヌ・ティ・ティ・スポーツコミュニティと合弁会社を設立する可能性があるようです。合弁会社を設立するとなると、エヌ・ティ・ティ・スポーツコミュニティが所有している大宮アルディージャトップチームの運営権を新設する合弁会社に移譲することが考えられます。

株式譲渡ではなく合弁会社の設立にする理由として考えられるのは、現在エヌ・ティ・ティ・スポーツコミュニティが所有している資産や事業の一部を100%NTT東日本傘下のまま残す、ということです。

例えば現在大宮アルディージャが使用しているクラブハウス・オレンジキューブは、運営会社であるエヌ・ティ・ティ・スポーツコミュニティが所有している物件だと思われます。仮に新設する合弁会社の過半数の株式をレッドブル社が取得した場合でも、クラブハウスはNTTグループの権益下に残ることになります。

また女子チーム・大宮アルディージャVENTUSやアカデミーなど一部事業をトップチームとは別法人で、つまり今までと同じようにエヌ・ティ・ティ・スポーツコミュニティが運営する可能性も考えられます。

なおNTTグループを中心とした共同事業体(JV)は2024年度から2028年度までの5年間、新たにNACK5スタジアム大宮の指定管理者に選定されています。

報道には「合弁会社を設立する”など”して」とあるように現時点で判明している事実は多くありません。更なる続報が待たれます。

合弁会社の例

なおJクラブの運営に関係する合弁会社には以下のような例があります。

一つ目は合弁会社が運営企業であるジェフ千葉の例。ジェフ千葉を運営するジェフユナイテッド株式会社は、JR東日本と古河電工が50%ずつ出資している合弁会社です。(2009年に株式会社東日本ジェイアール古河サッカークラブから商号変更)

二つ目は合弁会社が運営企業の親会社となっている湘南ベルマーレの例。湘南ベルマーレを運営する株式会社湘南ベルマーレは、会社自体は合弁会社ではありませんが、メルディア(2024年3月に三栄建築設計から商号変更)とRIZAPグループが共同出資で設立した合弁会社・株式会社メルディアRIZAP湘南スポーツパートナーズが50・001%の株式を保有する親会社となっています。
合弁会社の出資比率はメルディアが50.5%、RIZAPグループが49.5%、また契約により議決権はRIZAPグループが100%保有してます。RIZAPグループは合弁会社を通して湘南ベルマーレの議決権の50.001%を間接保有し、湘南ベルマーレを連結子会社としています。

リンク

報道

レッドブル、大宮アルディージャの経営参画へ 外資系がJ参入方針 (2024年6月27日)
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レッドブル、J3大宮の経営参画へ 既に選手・チーム関係者に伝達済み 来年株式過半数取得の見通し (2024年6月28日)
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レッドブルが大宮アルディージャへの経営参画と報道

日付: 2024年06月28日

最終更新日: 2024年07月03日

クラブ: 大宮

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