2024年11月22日
AC長野パルセイロがクラブライセンスの停止条件充足を発表
AC長野パルセイロを運営する株式会社長野パルセイロ・アスレチッククラブは2024年11月22日、停止条件付交付となっていた2025シーズンのJ2クラブライ センスについて、停止条件を充足したことを発表した。停止条件の充足により、長野の2025シーズンのJ2クラブライセンスの効力が発生することになる。
停止条件の内容は非公表であったが、第三者割当増資やスポンサー料の増額により条件を満たしたことをクラブが発表している。
平素より、当クラブに対し熱いご声援ご支援を賜り誠にありがとうございます。
2025シーズンのJ2クラブライセンス申請に対し、過日、停止条件付交付となっておりました件、このたび全ての停止条件を充足しました。
継続的に安定したクラブ経営を行うための財務基準が停止条件となっていましたが、第三者割当増資、スポンサー様の協賛金増額など、株主・スポンサーの皆様をはじめ、関係者の皆様の多大なご尽力ご支援を賜り、J2クラブライセンス付与の効力が発生することとなりました。
背景
2024年9月末に発表された2025シーズンクラブライセンス判定結果において、AC長野パルセイロは停止条件付きのJ2クラブライセンス交付となっていた。クラブライセンスの停止条件付交付は2014年の鳥取以来2例目。
停止条件は非公表。停止条件充足の期日は11/24。長野には別途、財務基準に関する是正通達が出されていたことから、停止条件付交付となった理由は財務関連であることが推測されていた。
(1) 停止条件付交付とは
クラブライセンス交付判定についての停止条件があり、期限(11/24)までにFIBより通知された停止条件を充足した場合に限り、クラブライセンス付与の効力が発生する (11/24は11月理事会の開催予定日の前日)
よって、クラブライセンス判定時には規則上「Jライセンスの交付拒絶の決定を受けた場合」に該当すると取扱われ、クラブは上訴申立てを行うことができる (J1・J2クラブライセンス交付規則 第25条第2項)
※停止条件付交付は2014年の鳥取以来
(2) 停止条件の内容
審査過程で得たクラブ経営に関わる情報を検討のうえでFIBが決定した停止条件であるため、内容の詳細に関するJリーグからの開示は行わない
(3) 今後のスケジュール
11/24までに、クラブが停止条件の充足を確認できる客観的資料をクラブライセンス事務局に提出する 予定。これにより条件充足が確認されれば、クラブライセンス付与の効力が発生する
11/25までに改めて、Jリーグより停止条件付交付クラブの状況を踏まえたクラブライセンス交付の最終結果について発表する予定
停止条件と解除条件
第百二十七条 停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。
2 解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。
今回、第三者割当増資やスポンサー料の増額によって停止条件を充足したことが発表された。なお、第三者割当増資の引受先や金額については非公表。増資の払込日が2024年度内であれば、2025年5月に公表される2024年度決算の貸借対照表に反映される。
追記 (2024/12/25)
AC長野パルセイロは2024年12月25日、12月21日に開催した「2024サポーターカンファレンス」の議事録を公開した。それによると「年末に債務超過に陥らないことを証明しきれなかった」が条件付きライセンス交付となった理由であるという。また解除条件である増資の引受先が一般社団法人長野市開発公社であることが判明している。
その一つ、今回今年現れてしまったのが「条件付きライセンス交付」の問題です。
条件付きになった理由は、年末に債務超過に陥らないことを証明しきれなかったということです。当然、9月10月の段階では債務超過ではありませんでした。審査を迎えたとき、12月に債務超過に絶対にならないということを事前に審査員に証明できなかったことが一番の要因です。
増資を様々な方にお願いをし、その中で一番大きかったのが長野市開発公社様であります。しかしながら、長野市開発公社という組織が個人で一人で決められるものではなく、理事会や社員総会といったものを経て正式に決定することでしたので、増資の確約をいただいていたとしても、それを証明するものがありませんでした。段取りとして、10月11月を経過しないと増資ができなかったということが要因です。最終的には、増資をしていただきまして、11月末にJリーグからの条件付き解除となりました。
なぜ長野市開発公社様が増資に協力いただけたかという理由につきましては、後ほど説明させていただきます。
長野市開発公社の増資については、目先の資金繰りを改善する目的ではなく、2028年長野県で開催する国民スポーツ大会に向けて 長野Uスタジアムの隣接地に整備中である「(仮称)南長野運動公園フットボール場」の利用や、市内の高冷地へのグラウンド整備・秋春制のキャンプ誘致などによるシナジー効果の創出を目的としたものと説明されている。
長野市開発公社様の増資の件です。本件は、単に今の現状を助けるということではなく、今後パルセイロと開発公社で大きなビジネスを一緒にやっていくことを考えています。南長野運動公園の横に新しい人工芝グランドの整備が始まっています。これは2028年の国民スポーツ大会の準備に向けてのことでありますが、将来的にクラブハウスを有し、パルセイロに関わる皆様が集える場所を創りたいと考えています。
また、再来年からJリーグはシーズン移行をします。2025シーズンはこれまでどおり。2026シーズンは半年間だけのシーズンを戦い、8月から2026-27シーズン(秋春制)が開幕をいたします。今までは1月がシーズンオフ期間でしたが、これからは8月がシーズンオフ期間となります。この場合、シーズンオフ期間のキャンプ地誘致の主戦場は北海道になると思います。我々としては、長野をキャンプ地に選んでいただいて、長野に多くの方が訪れるようにしたいと考えています。長野は新幹線で東京からすごく近いので、長野に来ればちょっとバスに乗れば飯綱という標高1000mの場所があります。現在グラウンドは1面ですが、もう2面3面と、長野市開発公社と一体となって芝生のグラウンド整備を行っていくつもりです。夏の菅平がラグビーのメッカである ように、飯綱を夏のサッカーのメッカにしていきたいと考えています。従いまして、芝管理が重要になってきますので、長期的な視野に立ち、このたびの増資に応じていただけることとなりました。
それを我々の大きなターニングポイントにしていきたいと考えています。
また本件とは関係しないが、過去にタイの資本家がクラブの経営権取得の動きを示していたことがこの議事録から明らかになっている。ただし正式な協議には至らなかったとのこと。
皆様からの質問の中に、「今年、大手からの買収があったのにそれを断った」ということを、複数の方が書いていました。正直、そんな噂があったことを当方が驚いています。エンターテインメントの会社が赤字経営のJクラブを買いたいみたいな話があったことは確かですが、交渉以前の問題であった、というのがその話かもしれません。
また、タイの大きな資本家が51%の株を提供するなら今すぐ買うよ、という話も確かにありました。信用関係を構築してから51%の株式の話をさせてくださいと返事したら、その話もなくなりました。買収の話が正式にあって、それを断ったという話ではありません。今後、もし本当に信用できる相手がパルセイロに興味を持ち、正式に買収をしたいという話であれば、交渉のテーブルに着いてしっかりと協議し、長野のためになる話であれば受けても構わないと思っています。
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