2025年07月29日
【2024年度】債務超過を解消していないクラブ
Jリーグは2025年7月29日、2024年度Jクラブ経営情報開示資料の本発表版を公開した。本発表版では3月決算の柏、湘南、昨年JFL所属の栃木シティ、高知ユナイテッドSCの計4 クラブの経営情報が公開された。
2024年度決算では前年度に債務超過であった7クラブのうち4クラブが債務超過のままであった。更に本発表の開示により高知ユナイテッドSCが債務超過であることが判明した。
前年度に債務超過であった7+1クラブの動向
状態 | 数 | クラブ |
---|---|---|
債務超過解消 | 3 | 東京V、横浜FC、鳥栖 |
債務超過額減少 | 5 | 福岡、相模原、鳥取、高知、YS横浜 |
債務超過を解消していないクラブ
アビスパ福岡、SC相模原、ガイナーレ鳥取、高知ユナイテッドSC、Y.S.C.C.横浜の5クラブが24年度決算において債務超過であった。
アビスパ福岡
項目 | 数値 | 前年差 |
---|---|---|
前年度の純資産額 | ▲3億9900万円 | |
24年度の純利益 | 1000万円 | |
24年度内の増資額 | 1億1800万円 | |
24年度の純資産額 | ▲2億7100万円 | 1億2800万円 |
(参考)24年度の売上高 | 30億5300万円 |
アビスパ福岡は純利益と第三者割当増資によって債務超過を解消する方針を示している。
SC相模原
項目 | 数値 | 前年差 |
---|---|---|
前年度の純資産額 | ▲5億2000万円 | |
24年度の純利益 | 3200万円 | |
24年度の純資産額 | ▲4億8900万円 | 3100万円 |
(参考)24年度の売上高 | 10億0200万円 |
ガイナーレ鳥取
項目 | 数値 | 前年差 |
---|---|---|
前年度の純資産額 | ▲3億0400万円 | |
24年度の純利益 | 100万円 | |
24年度の純資産額 | ▲3億0200万円 | 200万円 |
(参考)24年度の売上高 | 5億4200万円 |
ガイナーレ鳥取は昨年4月に増資の可能性が報じられていたが24年度内には実施されなかった。
高知ユナイテッドSC
項目 | 数値 | 前年差 |
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23年度の純資産額(官報より) | ▲1億3000万円 | |
24年度内の増資額(推定) | 1000万円 | |
24年度の純利益 | 3800万円 | |
24年度の純資産額 | ▲8200万円 | 4800万円 |
(参考)24年度の売上高 | 2億0000万円 |
高知ユナイテッドSCはJFL時代から債務超過に陥っており、2023年度(2024年1月期)には約1億3000万円の債務超過があったが、クラブライセンス制度の特例措置によりこの時点ではライセンス取得に影響はなかった。2024年度は「債務超過額の増加禁止」という猶予基準が課される中、同クラブはこれをクリアし、2025シーズンのJリーグクラブライセンスを取得した。
債務超過は1億円以上にのぼり、J3昇格に必要な財務上の条件を満たせず、2023年にはクラブ側からライセンスの判定を辞退。2024年1月期には7013万円、累計で3億円以上の赤字を計上してしまった。この頃には遠征費、グラウンド使用料や飲食・グッズの仕入れ、ついには選手の給料まで未払いが発生し、内部では「倒産もやむなし」という雰囲気もあったという(2024年12月6日・高知新聞より)。
「債務超過1億円」から大逆転…!“5足のわらじ”女性が率いる「高知ユナイテッドSC」は、なぜJリーグチームに昇格できたのか
Y.S.C.C.横浜
項目 | 数値 | 前年差 |
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前年度の純資産額 |