2025年10月14日
アビスパ福岡が第三者割当増資の実施を発表
アビスパ福岡を運営するアビスパ福岡株式会社は2025年10月14日、第三者割当増資の実施を発表した。引受先は株式会社Mirai Nihon Ventures(本社:東京都港区、代表取締 役:後藤研二)が100%出資して設立したミライニホン・スポーツマネジメント合同会社で、引受額は非公表としている。
アビスパ福岡株式会社は、2025年10月14日開催の臨時株主総会において、第三者割当増資を目的とした募集株式の発行および役員の選任を決定いたしましたので、下記の通りお知らせいたします。
株式会社Mirai Nihon Ventures(本社:東京都港区、代表取締役:後藤研二)は、サッカーJ1リーグに所属するプロサッカーチーム「アビスパ福岡」を運営するアビスパ福岡株式会社(本社:福岡市東区、代表取締役社長:結城耕造、以下「対象会社」という)が実施した第三者割当増資を引き受け、出資しました。
増資の内容
アビスパ福岡公式サイトの会社概要には、資本金が5億3919万円と記載されている。2024年度決算における資本金は4億4231万円であった(福岡市議会の資料より)。
同ページは「令和7年7月17日現在」と日付が明記されているが、その記載内容には、今回の増資により10月14日の臨時株主総会で取締役に就任した後藤研二氏、および名誉会長に就任した浅井將雄氏の名前が含まれている。したがって、表記上の基準日は7月 時点であるものの、内容としては増資および役員改選後の体制を反映しているとみられる。
アビスパ福岡は過去の増資において、引受額の半額を資本剰余金に計上してきた。この慣例をもとに試算すると、今年度内に実施された増資額はおよそ1億9400万円前後にのぼると推定される。
ここで「今回の増資」ではなく「今年度内に実施した増資」と表記したのは理由がある。クラブは過去数年、実施したすべての増資をプレスリリースで公表しているわけではなく、決算発表の段階で初めて判明する例もある。そのため、今回公表された第三者割当増資とは別に、既存株主による出資比率を維持するための追加増資が行われている可能性も否定できない。この点は留意する必要がある。
債務超過の解消は
アビスパ福岡は2024年度決算(2025年1月期)において、2億7100万円の債務超過に陥っていた。クラブライセンス制度では原則として債務超過状態は認められないが、コロナ禍の影響を踏まえた特例措置により、一定の期間は債務超過が容認されていた。しかし、この特例措置は2024年度限りで終了しており、2025年度決算では全クラブが債務超過を解消することが求められている。
同クラブは2025年度予算において営業利益4500万円を見込んでいた。営業利益がそのまま当期純利益に等しいと仮定した場 合、単純計算では債務超過解消に約3200万円不足する。ただし、2025年4月に公表された決算報告では「増資額を最小限に抑えられるよう、純利益の拡大を目指す」との方針が示されており、実際の黒字幅が当初予算を上回る可能性もある。
今回の増資による純資産の増加分は、2025年度決算に反映される。
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