2025年10月03日
日産自動車、横浜F・マリノス株式の売却検討と報道
2025年9月29日、日産自動車が子会社である横浜F・マリノスの株式売却を検討していると報じられた。この日の早朝にスポーツ報知が第一報を伝え、午後には 他の報道各社も追従した。報道において確定的な情報は存在しなかったが、10月3日に日産自動車が「筆頭株主であり続ける」ことを宣言した。
現在のマリノスの株主と出資比率
日産自動車株式会社
City Football Group Limited
株式会社 崎陽軒
相鉄ホールディングス株式会社
株式会社 神奈川新聞社
高梨乳業株式会社
株式会社 テレビ神奈川
横浜信用金庫
株式会社 サカタのタネ
日産自動車の出資比率は74.58%、CFGが19.95%、その他5.53%を7社が分け合っている。2014年に日産自動車からCFGへの株式譲渡があり、現在の株主構成となった。
報道の推移
2025年9月29日早朝、スポーツ報知は日産自動車が横浜F・マリノスの株式売却(譲渡)を複数の企業に打診していると報じた。同日午後にはNHKなど他社が相次いで同様の内容を伝えた。報道を総合すると、具体的な打診先は明らかではないが、大手IT企業を含む複数社に対して年内に候補を絞り込み、2027年を目処に売却を目指しているという。売却額は十数億円規模とされている。
翌9月30日には、打診先の一つとして大手家電量販店ノジマの名前が報じられた。午後には横浜マリ ノス株式会社の中山昭宏社長が取材に応じ、公式に発表できる内容はないと明言しながらも、一連の報道を否定はしなかった。
10月1日にはノジマの野島広司社長が「正式に話があれば検討する」と取材に答え、株式取得とともに日産スタジアムの命名権にも意欲を示した。
10月3日、日産自動車は公式発表において「横浜F・マリノスの筆頭株主であり続ける」と宣言した。一方で「株主構成の強化について積極的に検討する」と明記し、保有株式の一部売却を否定していない。ここで強調されているのは「筆頭株主」であり、必ずしも過半数を保有する「親会社」を意味するものではない。売却先が新規の一社である場合、日産は37.29%以上を保有すれば理論上、筆頭株主の地位を維持できる。従って、この宣言が翻らない限り、クラブの運営権が直ちに他社へ移ることはない 。
日産は横浜F・マリノスの筆頭株主であり続けます。
私たちは横浜F・マリノスの成長を支え、財務的な持続可能性を高めるため、長期的な戦略の一環として、株主構成の強化について積極的に検討しています。横浜F・マリノスは日産の伝統と価値観、地元を大切にする姿勢の象徴であり、私たちは今後もチームの目標達成や将来の発展を支援し続けます。今後も日産は、地元である神奈川県、横浜市に対して、引き続き貢献していきます。
私たちは事業の安定性を確保し、強固な基盤を構築することで、従業員やパートナーを支援し、地域社会に貢献していきます。