2022年04月19日
ロアッソ熊本が2021年度決算を発表
ロアッソ熊本を運営する株式会社アスリートクラブ熊本は2022年4月19日、2021年度決算を発表しました。
主な指標
項目 | 数値 | 前年比 |
---|---|---|
営業収入 | 5.50億円 | 0.33億円 |
営業利益 | ▲0.37億円 | 0.02億円 |
経常利益 | ▲0.34億円 | 0.28億円 |
当期純利益 | ▲0.37億円 | 0.02億円 |
純資産 | 0.31億円 | 0.37億円 |
2021年度決算 損益計算書 (抜粋)
(単位: 千円) | 営業収入 | 営業費用 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
---|---|---|---|---|---|
2019決算 | 849,670 | 814,384 | 35,286 | 37,005 | 27,071 |
2020決算 | 516,994 | 581,809 | -64,815 | -32,706 | -34,861 |
2021決算 | 549,839 | 586,693 | -36,854 | -34,418 | -37,018 |
前年比 | 32,845 | 4,884 | 27,961 | 1,712 | 2,157 |
収支のバランス
2021年度の営業収入は5億4,983万円、営業費用は5億8,669万円で、営業損失として3,685万円、当期純損失として3,701万円を計上しました。
引き続きコロナの影響が大きく、スポンサー料やチケット収入などコロナ以前の状態とは程遠く、チケットやグッズ収入などで一部昨シーズンよりは増加したものの、赤字脱却までには至らず、クラブ収支は二期連続の赤字となりました。
ロアッソ熊本は、コロナ禍初年度である2020年度決算で3,486万円の当期純損失を計上しています。2021年度は営業収入が増加、営業費用はほぼ横ばいでしたが、2020年度に存在した約3,000万円の営業外収益がなくなったため、前年度と同じ水準の3,702万円の当期純損失を計上しています。
J2に舞台を移した22シーズンは、Jリーグ配分金の増額や広告協賛収入、入場料収入などの増加を見込み、営業収益7億8400万円、当期純利益2000万円を目指す。
2022年度はJ2に昇格しているため、営業収入と営業費用がどちらも大幅に増加することが想定されます。報道によると、営業収入7億8400万円、当期純利益2000万円を目標としているようです。
営業収入の前年比
営業収入は前年比で3285万円増。内訳を見ると、広告協賛収入、サプライヤー契約収入が微減したものの、入場料収入の回復と、移籍金収入によるその他収入の増加によって売上が増加しています。
平均入場者数は前の年のおよそ2倍になりグッズ収入の増加や移籍金収入があったものの、新型コロナ禍前に比べると厳しい状態が続いていて、純損失は3701万円と2期連続の赤字となりました。
アカデミー関連収入が0になっていますが、これは2020年4月にアカデミー事業の主管を一般社団法人ロアッソ熊本スポーツクラブへと移管したことによるものです。
コロナ禍以前の水準との比較
コロナ禍以前の2019年度決算と比べると、営業収入は約3億円の開きがあります。ただし、2019年度はJ3降格1年目に当たるため、降格救済配分金として9000万円が支給されています。また、2019年度はアカデミー事業の移管前だったため、アカデミー関連収入が約3000万円ありました。これを除いて考えると、コロナ禍以前の営業収入の水準とは1.7億円程度の開きがあると言えます。
2021年度決算 貸借対照表 純資産の部
(単位: 百万円) | 純資産 | 資本金 | 資本剰余金等 | 利益剰余金 | (当期純利益) |
---|---|---|---|---|---|
2019決算 | 103 | 345 | 0 | -242 | 27 |
2020決算 | 68 | 345 | 0 | -277 | -34 |
2021決算 | 31 | 345 | 0 | -314 | -37 |
前年比 | 37 | 0 | 0 | 37 | 3 |
ロアッソ熊本の2021年度の純資産は3116万円でした。現時点では債務超過ではありませんが、増資をしない場合、2022年度決算において当期純損失が3116万円を超えてしまうと債務超過になってしまいます。
新型コロナウイルスの流行に伴って設けられたクラブライセンス判定における財務基準の特例措置により、2021年度決算までは新たに債務超過になることが認められていました。しかしながら、2022年度決算、2023年度決算では、新たに債務超過になることが認められていません。仮に2022年度決算で債務超過になってしまうと、2024年シーズンは2023年シーズンの成績に関わらず、直下のカテゴリへと降格となります。2023年シーズンの所属カテゴリがJ3であれば、降格はありませんが2024年シーズンは勝点-10からの開幕となります。
■基準未充足となった場合の取扱い
上記の財務基準未充足となった場合には、J1・J2クラブは次シーズン下位リーグ所属、J3クラブは次シーズン勝点10点減とする。
増資の実施
決議事項
このたび、第18期定時株主総会にて、財務体質改善及び今後のチーム強化、新規事業への投資を目的に、第三者割当を含む増資の実施を行うことが承認されました。
株主総会による決議事項として、年度内の増資を予定していることが記されています。報道によると、増資の額は1億円。増資の引受先は県内外から募るようです。
増資を実施することにより、債務超過化のリスクを低減することができます。
また、財務基盤強化のため1億円の増資を決議した。
増資は県内外から募る考えで、200株(一口50万円)を新規発行する。
サッカー専用スタジアム建設への動き
また、各Jリーグクラブでも進んでいるサッカー専用スタジアム建設に向けて今シーズンをスタートとした具体的な検討も推し進める予定です。
また、経営情報には直接関係ありませんが、サッカー専用スタジアム建設に向けた検討を今年から開始することが記されています。
リンク
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