北海道コンサドーレ札幌が第三者割当増資の実施を発表

北海道コンサドーレ札幌を運営する株式会社コンサドーレは2022年10月6日、第三者割当増資の実施を発表しました。

『2020年2月より新型コロナウイルスの流行により、Jリーグ公式戦の収容人数制限が課される状況が続く中、収入の柱となる「興行収入」等の大幅な減少もあり、経営に重大な影響が生じる状況が続いています。この状況を乗り越えるための資本強化として、第三者割当による募集株式の発行を行いました。

第三者割当による募集株式の発行について

増資の概要

• 発行株式数 当社普通株式 299,600株
• 払込金額 １株につき 金 3,000円
• 払込金額の総額 金 898,800,000円
• 増加する資本金及び資本 金 1,500円
  準備金に関する事項 金 1,500円
• 払込期日 2022年9月30日（金曜日）
• 割当先
  • 石屋製菓株式会社
  • ダイアモンドヘッド株式会社
  • 有限会社平井興産
  • カタギリコーポレーション株式会社
  • 株式会社リージョナルマーケティング

現在の発行済株式総数 350,172株（現在の資本金 金 1,287,159,000円）
増資による増加株式数 299,600株（増加資本金 金 449,400,000円）
増資後発行済株式総数 649,772株（増加後資本金 金 1,736,559,000円）

第三者割当による募集株式の発行について

増資の規模は8億9880万円。このうち1/2の4億4940万円が資本準備金に振り分けられます。増資後の資本金は17億3656万円です。

増資の引受先は石屋製菓株式会社、ダイアモンドヘッド株式会社、有限会社平井興産、カタギリコーポレーション株式会社、株式会社リージョナルマーケティングの5社です。増資後の持株比率は非公表です。

増資後の純資産額は11.35億円になります。

背景

北海道コンサドーレ札幌は新型コロナウイルスの影響によって2020年度、2021年度に合計3億円弱の純損失を計上しています。直近の2021年度決算(2022年1月末)における純資産額は2.35億円なので債務超過ではありませんが、2021年度決算には3億円の特別利益(寄付金収入)があり、2022年度決算で2021年度と同水準の経常損失を計上した場合は債務超過に陥る恐れがありました。Jリーグクラブライセンス制度では、コロナ禍に設けられた財務基準の特例措置によって2020年度決算、2021年度決算では新たに債務超過になることが認められていましたが、2022年度決算からは新たに債務超過に陥ることが再び禁止されています。

また資金繰りの面では、コロナ禍初年度の運営資金のために借り入れた長期借入金(固定負債に計上)の返済が2022年度から始まることから、返済のための原資が必要となります。

市中金融機関にて借り入れによる資金調達を行っており,この借り入れは「新型コロナウイルス感染症対策融資」のため⾧期間の借入かつ据置期間がありますが、翌事業年度より借入金の返済は生じることとなります。将来的に返済額が増加するため返済原資の確保が必要となります。

令和4年度1月期決算公告

こうした状況の中で北海道コンサドーレ札幌は増資の検討を進めていました。2021年4月には10億円規模の増資を検討という報道があり、2022年4月の定期株主総会では8億円程度の増資を想定し、株式の発行可能数の上限を倍増する定款の変更を議決していました。

同社は経営の安定に向けて、22年4月までに第三者割当増資で10億円以上を調達する方針を示した。

コンサドーレ、3期連続最終赤字 10億円以上の増資へ

コンサは今期まで4期連続赤字だが、今期までは（2）の3期連続赤字のカウント対象とはならない。純資産も2億3450万円プラスで債務超過でもないが、新型コロナウイルス感染症対策融資で総額8億4000万円あまりを借り入れており、その返済が2022年度から始まることから、財務体質の強化を図るため、昨年から第三者割当増資の引き受け先を検討してきたところ。

三上氏は総会で「新パートナーなど4者に合わせて8億円程度の増資を想定している」と説明。今回の株主総会では、株式の発行可能数を倍増させる、定款の一部変更も議決した。

4期連続純損失も赤字大幅圧縮、鈴井貴之氏を社外取締役に起用…コンサドーレ22年1月期決算の深層

貸借対照表 純資産の部 (推定)

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