2023年04月27日
FC岐阜が2022年度決算を発表
FC岐阜を運営する株式会社岐阜フットボールクラブは2023年4月27日、2022年度決算を発表しました。
主な指標
項目 | 数値 | 前年比 |
---|---|---|
純売上高(営業収入) | 8.87億円 | 1.37億円 |
営業利益 | ▲1.33億円 | 0.03億円 |
経常利益 | ▲1.32億円 | 0.03億円 |
当期純利益 | ▲1.32億円 | 0.02億円 |
純資産 | 1.65億円 | 0.97億円 |
FC岐阜の2022年度の営業収入は8.87億円。J3降格後3年目であったため降格救済配分金が支給されないシーズンでしたが、前年比1.37億円増加と売上を大きく伸ばしています。その理由としては、特定の要因が存在するわけではなく各項目の微増によるものと言えます。
当期純損失は1.32億円。クラブの経営規模に対してやや大きな数値ですが、予算編成の時点では2.50億円の赤字を想定していたようなので、対予算比ではプラス1.18億円の上方修正となりました。
収入面ではJ3降格3年目で引き続きのコロナ禍でチーム成績不振のなかでしたが、ご協賛企業については41増12減、純増29社となり、過去最高の301社を達成し大幅な増収に繋がりました。また、グッズ販売収入についてはユニフォーム販売数が過去2番目となる2,154枚となり、選手グッズや千円自販機も好調で、昨対比114%、15年間で過去最高額となる約81百万円となるなど売上高に貢献しました。売上全体としては877百万円で昨対比116%、126百万円増と大幅な増収着地となりました。
支出面ではJ2昇格を実現するため予算をトップチーム経費に充て、昨対比113%、61百万円増となりました。またコロナ禍3年目でホームタウン活動の再開などの売上増に伴う原価増により売上原価全体としては861百万円で昨対比113%、102百万円の増加となりました。
会社としての最終損益は、当初予算の段階では250百万円の損失見込みでしたが、皆様のご理解とご支援、自助努力による大幅改善により132百万円の最終損失に留めることができました。しかし、純資産残高が毀損するため、期中に大株主の藤澤様からのご厚意により4,000株2億円の大型出資を いただいたおかげで財務面が大きく安定し、昨対比68百万増の約165百万円で着地することができました。この場を借りて藤澤様に厚く御礼申し上げます。
2022年度決算の純資産額は1.65億円。年度内に藤澤信義氏を引受先とする2億円規模の増資を実施しているため、損失を計上しながらも純資産額は前年度より増加しています。増資後の純資産額は2.97億円でしたので、前述した当初の2.50億円赤字予算は非常に挑戦的な予算設定だと思います。
貸借対照表 純資産の部 推移
(単位: 百万円) | 純資産 | 資本金 | 資本準備金 | その他資本剰余金 | 利益剰余金 |
---|---|---|---|---|---|
2021決算 | 97 | 81 | 268 | 189 | -440 |
増資後 | 297 | 181 | 368 | 189 | -440 |
減資後 | 297 | 50 | 368 | 320 | -440 |
2022決算 | 165 | 50 | 368 | 320 | -573 |
経営面での課題として、これまではJリーグの「3期連続赤字でクラブライセンス消滅」というルールがコロナ禍で緩和されていましたが、この第17期からこのルールの適用が再開されました。弊社は現状第18期の収支が厳しいことも踏まえ、第19期には必ず収益を黒字化させなくてはいけません。そのためにも売上高の最大化、売上原価の見直しを図り、黒字体質へ転換させることおよび財務体質の強化が経営課題であると認識しています。
2023年度もJ2昇格を目指すトップチーム強化のため赤字を想定した予算を組んでいるようです。
なお、2023年版のクラブライセンス交付規則では「3期連続赤字の禁止」のルールは2024年度決算を1期目としてカウントを始める内容に改定されています。したがって、仮に第18期(2023年度)、第19期(2024年度)が共に赤字であっても財務基準に抵触することはありません。とはいえ、赤字が続けば将来的な債務超過のリスクを高めることになるため収支の改善は不可欠です。
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