2024年04月25日
アビスパ福岡が2023年度決算を発表
アビスパ福岡を運営するアビスパ福岡株式会社は2024年4月25日、2023年度決算(自2023年2月1日、至2024年1月31日)を発表しました。
主な指標
項目 | 数値 | 前年比 |
---|---|---|
売上高(営業収入) | 28億7400万円 | 4500万円 |
営業利益 | ▲9200万円 | 1億0600万円 |
経常利益 | ▲8900万円 | 1億0500万円 |
当期純利益 | ▲9000万円 | 8900万円 |
純資産額 | ▲3億9900万円 | 6600万円 |
今回発表されたのは損益計算書と売上高の内訳です。
またYouTubeアビスパチャンネルで配信された「2023年度決算報告」では純資産額が公表されています。
アビスパ福岡の2023年度の売上高は28億7400万円。前年比4500万円増で昨年に引き続き過去最高の売上高を更新しています。
入場料収入やその他収入が大きく増加した一方で、それを相殺する形でJリーグ配分金とスポンサー収入が大きく減少しています。
その他収入の大幅増の要因として、ルヴァンカップ優勝による賞金1億5000万円、天皇杯3位入賞によるチーム強化費2000万円などが挙げられます。ただし大会賞金は一般的に選手・スタッフへのボーナスとして費される場合が多いため、賞金を「利益」として考えるべきではないでしょう。
第30期の売上高についてご報告 いたします。当期のスポンサー社数は前期786社から、社会連携活動を軸にした新商品「シャレンパートナー」の販売等により、853社へ67社増加となりましたが、ユニフォームスポンサー等の大口企業の撤退もあり、広告収入は9億4千6百万円(対前期比24%減)となりました。
スタジアムご来場者につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響もほぼなくなり、1試合当たりの平均入場者数が前期6,194人から当期8,722人(2,528人増加)となり、年間入場者数は19万1千8百87人でした。その結果入場料収入は6億3千5百万円(対前期比32%増)となり、2期連続で過去最高額となりました。
グッズ収入につきましては、オーセンティックユニフォーム販売や、ルヴァンカップ優勝記念グッズの販売等により、2億6千5百万円(対前期比52%増)となり、3期連続で過去最高額となりました。
合計の売上高は、その他の収入を加えまして28億7千4百万円(対前期比2%増)となり、3期連続で過去最高額を更新しました。営業費用は29億6千6百万円(対前期比5%増)、営業損失は9千2百万円、経常損失は8千9百万円、当期純損失は9千万円となりました。
売上高の微増に対し、それを上回る費用の増加によって最終的に9000万円の純損失を計上しています。
純資産額はマイナス3億9900万円。依然として債務超過の状態です。なお年度内に2300万円の増資を実施していることが決算報告の中で明らかになっています。
財務基準における特例措置のスケジュール改定により2023年度決算は新たに特例措置の対象となっているため、債務超過額の増加がクラブライセンス判定に影響することはありません。
債務超過の状態でありながら少なくない額の赤字を計上する結果となっていますが、これは債務超過の解消に向けた収支の改善よりも、J1で戦うための強化費の維持を優先したことによるものだと考えられます。
その背景としては、特例措置のスケジュール改定によって債務超過額の増加が認められる年度であったことや、後述するように将来の増資の当てがおそらく存在していることが挙げられます。
2024年度の予算については売上高を31億3600万円、営業利益300万円と設定しているようです。
財務基準における特例措置
新型コロナウイルスの影響を受け、クラブライセンス制度の財務基準には債務超過を時限的に認める特例措置が設けられています。コロナ禍以降に債務超過に陥ってしまったクラブは特例措置が廃止される2025年度決算までに債務超過を解消する必要があります。
したがってアビスパ福岡は2025年度決算(2026年1月期)までに債務超過を解消する必要があり、これを増資なしで実現するには2024年度、2025年度の2年間で合計3億9900万円以上の純利益を出さなければなりません。