2025年04月24日
北海道コンサドーレ札幌の2024年度決算の報道
北海道コンサドーレ札幌を運営する株式会社コンサドーレは2025年4月24日、2024年度(自2024年2月1日、至2025年1月31日)の決算の内容を報道発表した。なお北海道コンサ ドーレ札幌は毎年Webサイト上に決算公告を公開しているが、24年度の決算公告は2025年5月2日現在公開されていない。
今回発表されたのは売上高、当期純利益、純資産額。
項目 | 数値 | 前年差 |
---|---|---|
売上高 | 49億9991万円 | 8億8846万円 |
当期純利益 | ▲2億7287万円 | 4億4455万円 |
純資産額 | 3億3097万円 | 3億2712万円 |
リーグ戦平均入場者数 | 17,086人 | 1,000人 |
年間総入場者数 | 340,477人 | 38,947人 |
2024年度決算
北海道コンサドーレ札幌を運営するコンサドーレは24日、札幌市内で株主総会を行った。24年度の売上高は前期比121・6%の49億9991万7000円で過去最高を更新するも、純損失は2億7287万6000円で、7期連続の赤字となった。
北海道コンサドーレ札幌の2024年度の売上高は49億4991万円。前年差8億8846万円の増収となり前年度に引き続き過去最高の売上高を更新した。
売上高は49億9900万円で、前期比21.6%増。昨夏の緊急補強にあたり、石屋製菓を中心にクラブのパートナー企業が試合入場券を10万枚規模で買い取る支援策を講じたため、興行収入は同45.4%増の11億2600万円となった。また、J2降格決定後の主力選手の移籍金収入などにより、「その他の売上高」も同60.1%増の9億2500万円。最終赤字が前期の4億1200万円から、約1億4千万円改善する要因となった。
増収を牽引したのは前年差約3億5000万円増となった興行収入(入場料収入)。ただし報道によると、興行収入の増収は昨夏にパートナー企業がチケットを買い取る支援策によるものと記載されており、実質的にスポンサー収入による増収と捉えるべきであろう。
収支面ではJ1残留に注力するため当初の「黒字必達」の方針を転換。前述のチケット支援策や、後述する年度内の増資を背景とした緊急補強により、2億7287万円の純損失を計上。7期連続の赤字となった。
---まずお聞きしたいのが、開幕前に今季は黒字必達を目標にしていたじゃないですか。それがこの夏、スポーツ報知のコラムで三上さんも語っていましたが、「赤字を出してでもJ1残留」と方針を切り替えました。方針転換に至った経緯を詳しく教えてください。
三上:前提として、クラブライセンスの話があります。コロナ禍があけて、今年から3年連続赤字になるとクラブライセンス剥奪となる規約が復活します。つまり2024、25、26年のどこかで黒字を出さなくてはいけない。2026年はシーズン移行の年に該当し、外的要因が大きすぎるので計算が難しい。ならば2024年と2025年、どちらの年が黒字を出しやすいか考えた時に、今年は多くの移籍金収入があったり、パートナー企業による広告料収入も右肩上がりで増えてきたりしたことで、今季開幕前時点では、今年まずは黒字必達を目標にしよう、となった経緯があります。
(中略)
---経営者として、黒字必達の目標を継続するのか、赤字覚悟でJ1残留を目指す方向に舵を切るのか、決断を迫られる状況になった、というわけですね。
三上:そうですね。このままではJ2降格が現実味を帯びてきた。そんな中、報道で出ている通り、ゼラ(※)から新たに出資を受け入れることになりました。仮に今年赤字になっても、この先債務超過に陥る可能性が大幅に減ったことが、方針転換した大きな要因と言えます。
※ゼラ=ゼラフットボール有限責任事業組合法人
また2025年4月29日開催の「サポーターズミーティング」によると、これまで在籍していた外国籍選手、スタッフの所得税などの申告漏れが存在しており、その金額が約2億5000万円であるという。外国籍選手に対して国内で課される税金については、クラブ側が負担する契約を結んでいる場合が多い。この約2億5000万円が特別費用に計上されている可能性がある。
試合後、サポーターズミーティングが行われました。経営面の話で気になったのは、7期連続赤字となった24年度について、石水社長が「外国人選手、スタッフ含めて税金の申告漏れがあった。その分が2億5000万円くらい」と明かしたこと。居住者、非居住者によって異なる所得税の分とみられます。#consadole pic.twitter.com/tltCdgmsOy
— 日刊スポーツ保坂果那 (@k_hosaka_nikkan) April 29, 2025
外国人選手の多くは国内で課される税について、クラブ側が負担する契約を結んでいる。クラブ側は外国人選手と契約する際、国内の滞在期間や契約年数などに応じて「非居住者」とするか、「居住者」として納税する。滞在期間など様々な制限が課される「非居住者」とする場合は、所得税だけの20・42%が適用され、課税所得が4000万円を超える「居住者」の場合は、所得税と住民税で55%となる。
純資産額は3億3097万円。2025年1月に実施した石屋製菓を引受先とする6億円規模の第三者割当増資により大きく回復した。
純資産合計は今年1月に石屋製菓が6億円を追加出資したことで3億3097万2000円と大幅増。
この増資によって石屋製菓の持株比率は60.6%となり、北海道コンサドーレ札幌は石屋製菓の子会社となった。子会社化に伴い、株式会社コンサドーレの代表取締役社長に石水創氏が就任。三上大勝代表取締役GMとの両代表体制となったが、三上氏は2025年3月に代表取締役を退任、4月の定時株主総会を最後にクラブを離れた。
2025年度予算
2025年度の予算については売上高などの具体的な数字は明らかでないものの、トップチーム人件費を20億円に設定し、4億4000万円の赤字予算を組んで1年でのJ1復帰を目指すことが報じられている。ただしこの額の赤字では年度末に債務超過に陥ることから、増資が実施される可能性が高い。
また2026年のシーズン移行に伴い決算期を移行、今期(2025年度)を2026年6月までの17ヶ月間とすることが判明している。
25年度は約4億4000万円の純損失が予想されており、8期連続赤字となる可能性が高い。シーズン移行もあり、17カ月間となる26年6月期決算が検討されている。石水創社長(43)は「今期については、私が社長に就任する前に組まれた予算なので、見直しが必要。ここから改革してどこまで削っていけるかというところが大事」と、純損失は減らすつもりだ。
25年度のチーム人件費は約20億円を予算に計上。23年度の全J2クラブと比較してもトップクラスの金額だ。今季のJ1昇格を目標に掲げていることもあり、「J1昇格した後のことも考えて、すぐ降格したらまるで意味がないので、最低でも20億のラインはクラブとして確保したまま行きたい」と、強化費ダウンは考えていない。
すでに始まっている今期は、2026-27年シーズンから始まる秋春制移行に伴い26年6月まで延長し、4.4億円の赤字予算を組んだ。
決算期の移行でクラブライセンスはどうなる?
前述の「サポーターズミーティング」内の資料によると、決算期の移行に伴いクラブライセンス制度の財務基準に新たな特例措置が設けられる可能性があるという。Jリーグからの発表はないが、複数のソースを基にすると「債務超過は禁止」「26年6月を期末とする決算については3期 連続赤字の対象外」という内容が考えられる。
Q: 赤字の責任所在、クラブライセンス維持・黒字化に向けた施策について教えてください。
A: 前経営陣が退任し、ライセンス維持へ向け財務再設計中。2026シーズン前半は特例適用予定。決算期は2025年2月から2026年6月までの17ヶ月に変更予定。
また、来季はシーズン移行初年度となり、秋田を含むJクラブの決算期が変更を予定しています。これに伴い、赤字に関してのカウントも猶予が発生するようです。
— さきがけBB担当 (@skgk_BBtansub) April 30, 2025
ただ、債務超過となっても不交付となるので、その点は注意が必要です。
石屋製菓の今後の関わりについて
また「サポーターズミーティング」内で石水社長は、第三者割当増資によって石屋製菓の保有比率が60%を超えている現在の体制を「一時的な措 置」と位置付け、「本来市民クラブであるべき」北海道コンサドーレ札幌の「自立を図る」ための経営再建に取り組むことを明言した。
リンク
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