2022年09月07日
ベガルタ仙台が3億円規模の増資を完了と報道
ベガルタ仙台を運営する株式会社ベガルタ仙台が2022年8月までに3億円規模の第三者割当増資を完了したことを河北新報が報じています。
ベガルタ仙台はコロナ禍初年度である2020年度に4.80億円の純損失を計上し債務超過に陥りました。直近の2021年度決算における債務超過額は2.65億円です。
Jリーグクラブライセンス制度では通常、債務超過の状態が認められていませんが、コロナ禍における財務基準の特例措置によって2023年度決算までは債務超過が認められています。ただし、2022年度決算、2023年度決算は猶予期間となり、「債務超過額の増加」と「新たに債務超過になること」が認められていません。
今回完了した3億円規模の増資によって、ベガルタ仙台は2022年度決算における債務超過解消の見込みが大きくなりました。単純計算で2022年度決算における当期純損失が0.35億円以下であれば純資産がプラスとなり、期限よりも2年早い債務超過解消が実現します。
また、2022年度決算において0.35億円以上の当期純損失を計上し、債務超過が解消できなかった場合でも、猶予期間中のルールである「債務超過額の増加」に抵触する可能性は低いためクラブライセンス判定に支障はありません。
増資の引受先は明かされていませんが、報道によると筆頭株主が宮城県、次席の株主が仙台市であることは変わらないようです。
増資は2次にわたって実施した。割当先は非公表で、宮城県の筆頭株主、仙台市の2位は変わらない。
貸借対照表 純資産の部 (推定)
(単位: 百万円) | 純資産 | 資本金 | 資本剰余金等 | 利益剰余金 |
---|---|---|---|---|
2019決算 | 356 | 630 | 177 | -451 |
2020決算 | -124 | 630 | 177 | -931 |
2021決算 | -265 | 630 | 177 | -1072 |
増資後 | 35 | 780 | 327 | -1072 |
差分 | 300 | 150 | 150 | 0 |
※ 出資額の1/2を資本剰余金等に計上すると推定。減資によって資本金及び資本剰余金等を利益剰余金に振り替えることも考えられる。
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