2026年夏のシーズン移行に伴い、Jリーグのクラブライセンス制度におけるスケジュールも変更となった。従来は6月末だったライセンス申請期限は12月末に、9月末だった判定結果発表は翌年3月末に変更される。
一方、移行期に当たる2026/27シーズンのクラブライセンスについては特例的な運用となり、申請期限は2026年2月末、判定結果発表は同年5月末に設定された。
この記事では、2026年5月末に発表予定の2026/27シーズンのクラブライセンス判定結果における注目点や論点を整理する。
- 2026/27シーズンクラブライセンス判定 プレビュー 総論
- 2026/27シーズンクラブライセンス判定 プレビュー 財務基準編
- 2026/27シーズンクラブライセンス判定 プレビュー 施設基準編
総論
2026特別シーズンのクラブライセンス判定では、J1ライセンス49クラブ、J2ライセンス10クラブ、J3ライセンス9クラブ(うちJFL所属8クラブ)にライセンスが交付されていた。
| ライセンス | クラブ数 | 対象クラブ |
|---|---|---|
| J1 | 49 | 札幌、仙台、山形、鹿島、栃木、群馬、浦和、大宮、千葉、柏、FC東京、東京V、町田、川崎、横浜FM、横浜FC、湘南、甲府、松本、新潟、富山、清水、磐田、名古屋、岐阜、京都、G大阪、C大阪、神戸、岡山、広島、山口、讃岐、徳島、愛媛、今治、福岡、北九州、鳥栖、長崎、熊本、大分 例外適用: いわき、水戸、金沢、藤枝、鹿児島、琉球 |
| J2 | 10 | 長野、FC大阪、鳥取 例外適用: 八戸、福島、栃木C、相模原、沼津、奈良、宮崎 |
| J3 | 9 | 高知 JFL(当時): 青森、岩手、新宿、YS横浜、滋賀、三重、鈴鹿、V大分 |
参考: 2026特別シーズンクラブライセンス判定結果発表および説明会発言録新規タブで開きます
2026/27シーズンの各クラブの所属カテゴリは、2025シーズンの競技成績によって既に決定している。そのため、今回のライセンス判定は、通常シーズンにおけるライセンス審査と比べると、昇降格への直接的な影響は小さい。
その一方で、今回の審査は、2027/28シーズン以降を見据えた各クラブの準備状況や、今後のライセンス取得方針を読み解く機会となる可能性がある。
新たに上位ライセンスを取得する可能性があるクラブ
ヴァンラーレ八戸、栃木シティ、テゲバジャーロ宮崎、VONDS市原
2026/27シーズンの所属カテゴリは既に2025シーズンの競技成績によって決定済みであるため、例外規定の適用などによって上位ライセンスを申請したとしても、その実益は限定的である。
逆に言えば、2027/28シーズンに向けて新たに上位ライセンスを目指すクラブにとっては、今回のライセンス審査を試金石として利用することができる。
具体的には、J2に昇格したヴァンラーレ八戸、栃木シティ、テゲバジャーロ宮崎が、このタイミングで例外規定を適用新規タブで開きますし、J1ライセンスを申請する可能性はあり得る。
| クラブ | 想定される例外規定の内容 |
|---|---|
| 八戸 | 例外規定2(スタジアムの入場可能数) 例外規定(トレーニング施設) |
| 栃木C | 例外規定2(スタジアムの入場可能数) 例外規定(トレーニング施設) |
| 宮崎 | 例外規定2(スタジアムの入場可能数・大型映像装置) 例外規定(トレーニング施設) |
参考: フットボールスタジアム整備を推進するためのスタジアム基準の改定について 発言録新規タブで開きます
施設基準I.04 トレーニング施設
出典J1・J2クラブライセンス交付規則新規タブで開きます(1) ライセンス申請者は、年間を通じてライセンス申請者専用のもしくはライセンス申請者が優先的に使用できる、以下の各号に定める設備を備えたトレーニング施設を有していなければならない。
① 常時使用できる天然芝、またはハイブリッド芝のピッチ1面(J2ライセンスに限っては人工芝でもよい)および屋内トレーニング施設
② 前号のピッチを観覧できるエリア。ただし、一般客およびメディアそれぞれのために設けられているものとする
③ クラブハウス(J1ライセンスに限っては以下の設備を備えたものでなければならない)
イ. トレーニングジム
ロ. トップチーム用の更衣室(トップチームの選手全員が使用可能な数のロッカー、8基程度のシャワー、トイレを備えていること)
ハ. ビジターチーム用の更衣室
ニ. メディカルケアスペース(マッサージ台2台、ベッド、担架、AED、冷蔵庫および製氷機を備えていること)
ホ. トップチームの選手、コーチ、チームスタッフ全員が収容可能なミーティングルーム(映像再生装置が使用可能であること)
ヘ. メディアからの取材に対応するスペース
ト. メディアが作業できるスペース(ヘ.のスペースとは別であること)
チ. 駐車場(クラブ関係者、メディア、一般利用者それぞれのために用意されていること④ メディカルルーム(J1ライセンスに限っては前号ニ.に定められた設備を備えたもの)
また、VONDS市原は関東サッカーリーグ1部からJFLに昇格したことで、J3ライセンス申請資格を得た。これに伴い、初めてJ3ライセンスを申請する可能性が考えられる。
もっとも、前述の通り、今回のライセンス審査では、上位ライセンスを取得したとしても、昇格する権利を得られるわけではない。そのため、上位ライセンスを申請するクラブもあれば、申請を見送るクラブもあるだろうという温度感となる。
一方で、その次の2027/28シーズンのライセンス審査では、ここで挙げたクラブの多くが上位ライセンスを申請するとみられる。
上位ライセンスを取得しないと考えられるクラブ
レイラック滋賀FC、高知ユナイテッドSC
レイラック滋賀FCと高知ユナイテッドSCは、J2ライセンスで必須となるU-18チームを保有していない。アカデミーチームの保有は競技基準S.02(A等級)で規定されている。
競技基準S.02 選手の育成体制(アカデミーチーム)
出典J1・J2クラブライセンス交付規則新規タブで開きます(1) ライセンス申請者は、下記のアカデミーチームを保有するか、ライセンス申請者と関連する法人内に置かなければならない。ただし、第4号および第5号に定めるチームについては、当該年齢におけるサッカースクールまたはクリニックで代替することができる。なお、ライセンス申請者は、毎年度、当該アカデミーチームを技術的および金銭的に支援しなければならない。
① U-18チーム
② U-15チーム
③ U-14チーム(チーム登録上U15チームに含まれる)
④ U-12チーム
⑤ U-10チーム
そのため、両クラブが昨年の高知ユナイテッドSCのようにJ2ライセンスを申請新規タブで開きますする可能性自体はあり得るものの、取得できる可能性は低いとみられる。
同基準の過去の運用を踏まえると、ライセンス申請時点で、当該チームの活動実態が存在している必要があると考えられる。
実際にFC大阪は、2024シーズンのJ2ライセンスを申請したものの、U-15チームを保有していなかったため不交付新規タブで開きますとなった。同クラブのU-15チームは2023年に発足し、入団予定選手も決定していたが、公式戦への出場は2024年2月以降であった。その後、2025シーズンのJ2ライセンス審査では同基準を充足したため、J2ライセンスが交付新規タブで開きますされている。
したがって、滋賀と高知が2027/28シーズンのJ2ライセンスを取得するためには、申請期限となる2026年12月までに、U-18チームの活動実態を備える必要があると思われる。
また、J3所属クラブのうち、2025年度決算において債務超過を解消できなかったクラブについては、財務基準未充足により、2026/27シーズンのJ2ライセンスを取得できない可能性も考えられる。
ただし、2027/28シーズンのライセンス審査対象となる年度(26半期、2026/27シーズン)は、再びシーズン移行に伴う特例措置の対象となる。そのため、仮に今回J2ライセンスを取得できなかったとしても、実際の昇降格への影響は限定的となる可能性がある。
その他ライセンスが変更になる可能性があるクラブ
アスルクラロ沼津、アトレチコ鈴鹿
アスルクラロ沼津はJFLへ降格したことで、J2ライセンス申請資格を失った。このため、2026/27シーズンについてはJ3ライセンスを申請すると考えられる。
また、アトレチコ鈴鹿はJFLから東海サッカーリーグ1部へ降格したため、J3ライセンス申請資格を失った。
以上、総論として、2026/27シーズンのクラブライセンス判定において、ライセンス区分が変更となる可能性のあるクラブを取り上げた。
続く各論では、財務基準および施設基準に関する論点を整理する予定である。
- 2026/27シーズンクラブライセンス判定 プレビュー 総論
- 2026/27シーズンクラブライセンス判定 プレビュー 財務基準編
- 2026/27シーズンクラブライセンス判定 プレビュー 施設基準編
リンク
Jリーグ規約・規程集新規タブで開きます
aboutj.jleague.jp

2026特別シーズンクラブライセンス判定結果発表および説明会発言録 (2025年10月3日)新規タブで開きます
www.jleague.jp

