Jリーグは2026年5月26日、2026/27シーズンのクラブライセンス判定結果を公表した。この記事では、プレビュー記事の答え合わせ(主に予想が外れた内容)を中心にまとめる。
なお、判定結果公表に伴うメディア向けの発言録は、後日Jリーグ公式サイトに掲載される。公開され次第、本記事も加筆する予定。
- 2026/27シーズンクラブライセンス判定 プレビュー 総論
- 2026/27シーズンクラブライセンス判定 プレビュー 財務基準編
- 2026/27シーズンクラブライセンス判定 プレビュー 施設基準編
- 2026/27シーズンクラブライセンス判定結果 レビュー

2026/27シーズンJ3クラブライセンス判定結果について (2026年05月26日)新規タブで開きます
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Jリーグは2026年6月5日、「2026年度 第5回Jリーグ理事会後会見発言録」を公開した。この中で、2026/27シーズンのクラブライセンス判定結果に関する資料も開示された。

2026年度 第5回Jリーグ理事会後会見発言録 (2026年06月05日)新規タブで開きます
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2026/27シーズン クラブライセンス一覧
J1クラブライセンス (49)
| 区分 | 数 | クラブ |
|---|---|---|
| 例外規定なし | 43 | 札幌、仙台、山形、鹿島、栃木、群馬、浦和、大宮、千葉、柏、FC東京、東京V、町田、川崎、横浜FM、横浜FC、湘南、甲府、松本、新潟、富山、清水、磐田、名古屋、岐阜、京都、G大阪、C大阪、神戸、岡山、広島、山口、讃岐、徳島、愛媛、今治、福岡、北九州、鳥栖、長崎、熊本、大分 |
| 例外規定2 (スタジアム) | 6 | いわき、水戸、金沢、藤枝、鹿児島、琉球 |
| 例外規定 (トレーニング施設) | 1 | 藤枝 |
J1ライセンス交付クラブ数は、2026特別シーズンの判定結果から変化はなかった。
水戸ホーリーホックは水戸信用金庫スタジアムをホームスタジアムとして申請したが、今回の判定でも「例外規定2」の適用対象となっている。
また、いわきFCのトレーニング施設であるIWAKI FC PARKは現在、人工芝から天然芝への改修工事が行われていることから、トレーニング施設に関する例外規定は適用なしとなった。
J2クラブライセンス (9)
| 区分 | 数 | クラブ |
|---|---|---|
| 例外規定なし | 3 | 長野、FC大阪、鳥取 |
| 例外規定2 (スタジアム) | 6 | 八戸、福島、栃木C、相模原、奈良、宮崎 |
J2ライセンス交付クラブ数は、2026特別シーズンから1クラブ減少の9クラブとなった。
その理由は、アスルクラロ沼津がJFL降格によりJ2ライセンスの申請資格を失ったためである。
J3クラブライセンス (1)
| 区分 | 数 | クラブ |
|---|---|---|
| 例外規定なし | 1 | 滋賀 |
| 継続審議 | 1 | 高知 |
高知ユナイテッドSCは、財務基準に関して追加で確認が必要な事項があるとして継続審議となった。判定結果は6月の理事会で公表される見込み。
また、2026/27シーズンに新たにJリーグへ入会するクラブが存在しないため、今回はJFL所属クラブは審査対象外とされた。
総論
2026/27シーズンクラブライセンス判定 プレビュー 総論
上位ライセンス取得クラブはなし
ヴァンラーレ八戸、栃木シティ、テゲバジャーロ宮崎の3クラブはJ1ライセンスを申請せず、J2ライセンスの交付となった。今回のライセンス判定が昇降格に直接影響しないことが理由とみられる。
また、プレビュー記事ではVONDS市原のJ3ライセンス申請を予想していたが、今回はJFL所属クラブに新規加入の可能性が存在しなかったため、そもそも審査対象外であった。
これらのクラブについては、次回2027/28シーズンのライセンス申請で上位ライセンスを申請する可能性が高いと考えられる。
財務基準
2026/27シーズンクラブライセンス判定 プレビュー 財務基準編
高知ユナイテッドSCの継続審議
高知ユナイテッドSCは今回のJ3ライセンス審査において、「財務基準に関して追加で確認が必要な事項がある」という理由で継続審議となった。
引用終わり出典2026/27シーズンJ3クラブライセンス判定結果について新規タブで開きます※高知ユナイテッドSCは財務基準に関して追加で確認が必要な事項があるため、6月の理事会にて継続審議とする
同クラブは2026年3月、独自に経営情報を発表新規タブで開きますしていた。その内容は主に以下の通り。
- 事業年度は2025年2月1日から2026年1月31日
- 2026年1月31日時点で5160万円の債務超過
- 決算期を6月に変更
この発表を受け、プレビュー記事では「2025年度末に債務超過であった場合の取り扱い」について考察していた。
一方、今回のクラブライセンス判定結果発表と同時に公開された『2025年度クラブ経営情報開示資料(先行発表)』新規タブで開きますでは、同クラブについて「6月決算(事業月数17ヶ月)」であるため、先行発表では経営情報を開示しないと記載されていた。
高知の事業年度は、先のクラブ発表と食い違っているが、詳細は不明である。
仮に当該事業年度が17ヶ月間である場合、北海道コンサドーレ札幌やガイナーレ鳥取と同様に、今回の審査では「2026年6月期決算において債務超過を解消できる確からしさ」が問われた可能性が高い。継続審議の理由も、その点の不透明さにあると考えられる。
同日、クラブはプレスリリースを発表した。継続審議の具体的な理由については明かされなかったものの、森下勝彦代表取締役のコメントでは債務超過について言及されている。
引用終わり出典2026/27シーズン J3クラブライセンス判定結果について新規タブで開きます■森下勝彦 代表取締役 コメント
この度、J3クラブライセンスが継続審議の判定結果となりましたことをご報告させていただきます。
クラブといたしましては、現時点では、債務超過解消には至っておりませんが、6月末の決算では解消見込みであると考えております。
皆様の引き続きのご支援、ご協力をよろしくお願い致します。
高知ユナイテッドSCのJ3ライセンス可否は、6月末の理事会で決定される。継続審議の要因が債務超過解消にあるのであれば、クラブはそれまでに、債務超過解消を合理的に説明できる材料を提示する必要がある。
なお、仮にそれが叶わなかった場合でも、翌シーズンの勝点減(最大10点)という制裁付きでJ3ライセンスが交付される可能性はある。
J3クラブライセンス交付規則より
出典J3クラブライセンス交付規則新規タブで開きます前項の規定にかかわらず、理事会は、第7条から第11条までに定める基準のいずれかを充足しない場合であっても、対象シーズンのJ3リーグの安定開催に支障を及ぼさないと認められる場合には、J3ライセンスを交付することができる。かかる場合、理事会が制裁を科すものとし、制裁の種類はJリーグ規約第142条第1項各号を準用するものとする。ただし、財務基準F.01第3項および財務基準F.06第3項に定める基準が未充足であったJ3ライセンス申請クラブに対する制裁は、原則として、対象シーズンの勝点減(最大10点)とする。
クラブは先月から「クラウドファンディング型ふるさと納税新規タブで開きます」を開始しており、目標金額3000万円として6月中旬まで受け付けている。
その他
継続審議となった高知ユナイテッドSCを除き、継続審議や停止条件付き交付となったクラブはなかった。
プレビュー記事で見たように、12ヶ月決算(12月期または1月期)のクラブについては2025年度決算が、17ヶ月決算(6月期)のクラブについては2026年6月末時点で債務超過ではないことを合理的に説明できるかどうかが、ライセンス交付条件であると考えられる。
逆に言えば、今回のライセンス判定結果は、各クラブの財務状況を一定程度反映したものと捉えることができる。
このことから、2020年度に債務超過へ陥り、その後5期連続で債務超過状態が続いていたガイナーレ鳥取については、2026年6月期決算における債務超過解消の目処が立っていると判断されたと評価できる。
もっとも、過去には「債務超過解消が見込まれる」と判断されたものの、結果的に解消できなかった事例も存在する(2014年の鳥取)。そのため、今回のライセンス交付が、必ずしも債務超過解消を保証するものではない点には留意が必要である。
施設基準
2026/27シーズンクラブライセンス判定 プレビュー 施設基準編
水戸の「例外規定2」適用によるJ1ライセンス
水戸ホーリーホックは、2026/27シーズンから現行のケーズデンキスタジアム水戸に代わり、水戸信用金庫スタジアムをホームスタジアムとして使用する新規タブで開きます。
この変更により、ホームスタジアムの「入場可能数」がJ1基準を満たし、これまでの「例外規定2」適用によるJ1ライセンスから、例外規定なしのJ1ライセンスへ移行するものとみられていた。
しかし、今回の判定結果では、引き続き「例外規定2」適用によるJ1ライセンスとなった。この点について考察する。
まず、例外規定の適用は、FIB(クラブライセンス交付第一審機関)が独自に判断するものではない。クラブ側がライセンス申請時に『例外適用申請書』を提出することで適用される仕組みである。
では、なぜ水戸は今回のライセンス申請で『例外適用申請書』を提出したのか。
結論から言えば、現時点では不明である。ただし、ここでは2通りの仮説を立てることができる。
1つ目は、水戸信用金庫スタジアムの「入場可能数」はJ1基準である15,000人を満たしているものの、何らかの理由で『例外適用申請書』を提出したという仮説である。
ただし、この場合、基準を満たしているにもかかわらず例外規定を申請する合理性は乏しい。また、そのようなケースで「例外規定2」が継続適用されるのかどうかも不明である。
2026/06/05追記
発言録新規タブで開きますに添付された資料(「2-5. 施設基準判定結果概要」)において、水戸信用金庫スタジアムの「入場可能数」が15,000人以上であることが判明した。
一方で、入場可能数がJ1基準である15,000人以上を満たしているにもかかわらず、「例外規定2」が適用された理由については明らかにならなかった。
2つ目は、水戸信用金庫スタジアムの「入場可能数」がJ1基準の15,000人を満たしておらず、そのため『例外適用申請書』を提出したという仮説である。
ここで注意が必要なのは、消防法基準における「収容人数」(正確には「収容人員」)と、『Jリーグスタジアム基準』における「入場可能数」は別概念である点である。
水戸信用金庫スタジアムの収容人数は22,002人(消防法基準)新規タブで開きますとされている。このうち5,019人分は芝生席であり、Jリーグ基準上の「入場可能数」には算入できない(ただし観客席としての使用自体は可能)。
残るメインスタンド(7,052人)とバック・サイドスタンド(9,931人)の合計は16,983人となる。
もっとも、「入場可能数」には見切り席や常設記者席、実況放送室等の座席を含めることができない。
さらに、水戸信用金庫スタジアムのバック・サイドスタンドは個席ではなくベンチシートとなっている。『Jリーグスタジアム基準』では、ベンチシートの1人当たり座席幅を45cm以上と規定している(消防法基準では0.4m)。
そのため、Jリーグ基準で再計算した場合、「収容人数」と「入場可能数」が乖離する可能性がある。
入場可能数の算定方法(2026年版)
出典Jリーグスタジアム基準 [2026年度用]新規タブで開きます※入場可能数: ホームゲーム開催時に使用可能な数を指し、下記(1)、(2)、(3)の合計数とする。
(1) 観客席(入場券が発券できる座席の数)
イ.見切り席、常設の記者席、実況放送室等の座席は含まない。
ロ.常設の飛び降り防止エリアの席数は含まない。ただし当該エリアが調整可能な場合は数に含む。
ハ.ホームクラブとビジタークラブの観客間の緩衝地帯の座席数は含むが、常設の緩衝地帯の場合は含まない。
ニ.立ち見エリアは施設管理者と協議の上入場可能な数とするが、新設及び大規模改修を行うスタジアムについては、観客席数の立ち見席は1段床あたり1人とし、1席の幅は45cm以上、段床の奥行は80cm以上とする。
ホ.J3ライセンスに限り、以下の要件を満たす芝生席については、観客席とみなす。
・芝生席の勾配は、傾斜 20% 以下・角度11°以下 とする。
・芝生席での1人あたりの面積は、 陸上競技場の場合は0.6 ㎡(幅 0.6m × 奥行 1m)以上 、 フットボールスタジアムの場合は、 0.48 ㎡(幅 0.6m × 奥行 0.8m )以上とする。(2) VIP席の数
イ.常設のVIP席。
ロ.個室ラウンジ付きの観戦エリアは、テラスにある座席の数とする。個室ラウンジ内の座席数は含まない。(3) 車椅子席の数
イ.車椅子観戦エリアは座席がないが、車椅子1台分につき1席と数える。
ロ.車椅子のヘルパー席は、車椅子席に含まない。
ハ.常設の椅子が設置され、かつ実際に使用されている車椅子のヘルパー席は観客席数に含める。
もっとも、この仮説は成立させるために無理に捻り出した側面がある点には留意が必要である。
仮にこの仮説が正しい場合、水戸信用金庫スタジアムの「入場可能数」がJ1基準の15,000人を下回ったため、引き続き「例外規定2」の適用を受けることでJ1ライセンスを取得した、という説明になる。
ただし、2018年および2019年のライセンス申請では、同スタジアムを用いてJ1ライセンスが交付されている。そのため、この可能性は低いと考えられる。
長々と書いてきたが、水戸がホームスタジアムを変更したにもかかわらず、引き続き「例外規定2」適用となった理由は、現時点では不明である。
なお、水戸信用金庫スタジアムの正式な「入場可能数」は、2026/27シーズン開幕前にJリーグ公式サイト等で判明する見込みである。
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高知ユナイテッドSC
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水戸信用金庫スタジアム(笠松運動公園陸上競技場)のホームスタジアム利用に係る発表のお知らせ (2026年02月27日)新規タブで開きます
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